「やせ薬ブーム」も影響? 「粉末プロテイン」の値上げラッシュがまだまだ続きそうと思える、深刻な背景(3/3 ページ)
明治など、プロテイン製品の値上げが相次いでいる。背景には何があるのか。
「やせ薬」の流行も影響か
また、やせ薬の服用者が副作用を抑える目的でプロテインに頼り始めており、価格高騰に影響を与えている。肥満が深刻な米国では空腹感を抑える効果がある肥満症治療薬も普及した。人口の10%超が使用しているという調査結果も出ている。
一方でこうしたやせ薬では筋力低下や栄養不足、抜け毛などの副作用が発生しやすいとされる。そのため、副作用を抑える目的でプロテインを購入する人が増えているのだ。やせ薬服用者を対象としたアイスやパスタなどの高タンパク食品も次々に現れ、プロテイン人気に拍車をかけている。
国内ではあるYouTube番組をきっかけに「マンジャロ」の名称でやせ薬が知られるようになった。マンジャロを服用するクリニックの中には、明確に「プロテインを飲むとよい」と推奨する施設も数多く存在する。
厚生労働省はXで「【マンジャロは糖尿病のお薬です】マンジャロは『糖尿病』の治療を目的に承認された薬です。ダイエットなど、本来の目的以外で使用した場合、思わぬ健康被害が生じるおそれがあり危険です。医療者から薬のリスクについて十分な説明を受け、薬について正しく理解することが重要です」と呼び掛けている。
プロテイン製品は生命維持に必ずしも必要なものではない。ボディビルダーやアスリートのような身体を目指さない限り、肉類や魚類で十分な量のタンパク質を摂取できる。しかし「太らずにタンパク質をとりたい」「やせ薬の副作用を抑えたい」といったニーズがあり、タイパやコスパを重視する消費者の間でプロテイン製品が売れるようになった。その背景にあるフィットネス需要拡大と肥満症治療薬の人気は収まりそうになく、価格上昇は今後も続くかもしれない。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「儲けようとは考えてなかった」 ドンキのプロテイン自販機がじわじわ増加中、採算度外視でも設置したワケ
ドン・キホーテが、一部店舗で展開している「プロテイン自販機」が好調だ。売り上げは、通常の自販機の平均より高い金額で推移しているという。スポーツジムに設置されることが多いプロテイン自販機を、なぜドン・キホーテの店内に設置したのか。PPIHの須田海斗氏(ホーム&レジャー商品開発担当)に話を聞いた。
アイリスオーヤマがプロテイン市場に参入 第1弾の特徴は?
アイリスオーヤマがプロテイン市場に参入する。第1弾として「デリッププロテイン女性用」を8月30日に発売。
