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なぜ韓国は世界でヒットを連発し、日本は540億円を溶かしたのか 「クールジャパン」の誤算スピン経済の歩き方(2/6 ページ)

クールジャパン機構はなぜ、世界で勝てるアニメやマンガではなく、バイオベンチャーなどに巨額の公金を投じたのか。約540億円の累積赤字から、日本の産業政策の構造的な問題を読み解いてみると……。

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出資先の多くが苦戦している状態

 例えば、最も大きいのが、140億円を出資したバイオ繊維ベンチャー「Spiber」(以下スパイバー、山形県鶴岡市)だ。日本発の次世代繊維素材の開発と実用化を目指していたが、約360億円の負債を抱え、清算された。2026年4月、孫正義氏の長女である川名麻耶氏が代表を務める企業に譲渡された。

 続いて80億円を出資している先が、USJを大成功に導いたとされる森岡毅CEOが率いる株式会社「刀」(東京都港区)。だが、同社が関わった「イマーシブ・フォート東京」も開業から約2年で営業を終了、手掛ける「ジャングリア沖縄」も苦戦が伝えられている。


「ジャングリア沖縄」(出典:公式Webサイト

 さらに、31億円を出資しているのが、吉本興業とNTTが展開する教育プラットフォーム事業「ラフ&ピース マザー」(東京都新宿区)。こちらも有料会員が伸びずに、事実上の「失敗」と報じられている。

 「いやいや、アニメやマンガの海外展開のためなのに、関係ない会社ばっかじゃん」と疑問に思う人も多いだろう。もちろん、アニメやマンガ関連への支援も行われている。

 代表的なのは、テレビアニメ『チェンソーマン』の単独製作を実現するため、資金調達を支援した「ジャパンコンテンツファクトリー」(東京都千代田区)だ。日本のアニメや映画では「製作委員会」という方式が一般的だが、これによって制作会社やクリエイターの立場が弱くなっているという指摘があり、そういう意味ではクールジャパン機構による支援にも一定の意味があった。

 しかし、このような成功例はわずかで、ほとんどの支援はアニメやマンガなどのコンテンツ産業と直接結びつかない分野への出資で、しかもその多くが大コケしているのだ。

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