SUVは価格も高く燃費も悪いのに、なぜこれほど人気なのか:高根英幸 「クルマのミライ」(3/5 ページ)
SUVの人気が続いている。直近では、日産の新型キックスが好評だ。SUVはスポーツを楽しむためのクルマとして誕生したが、人気が定着。高級車ブランドも参入している。小型車よりも災害に強いイメージもあり、今後もSUVを選ぶ人は増えそうだ。
高級車ブランドもSUVに続々参入
ロールス・ロイスやベントレーも、セダンやクーペ、コンバーチブルに加えて、SUVをラインアップに入れている。フェラーリは初の4ドア車としてSUVのプロサングエを発売し、マセラティはグレカーレ、ランボルギーニもウルスというSUVをそろえている。
英国の高級車ブランドはその高級感をSUVで表現し、イタリアの高性能ブランドはスーパーカー並みの性能をSUVに与えているのだ。
日本ではトヨタの最高級車、センチュリーのSUVが、特別な存在として君臨している。
センチュリーは中国市場で人気が高く、生産台数の多くが中国に輸出されていると聞く。中国でも新興EVメーカーが高級SUVやミニバンを販売しているが、超富裕層は燃料コストや環境対策などへの関心が低く、快適で確実な移動を実現するセンチュリーが人気なのであろう。
センチュリーがSUVへと派生したのは、ブランド戦略の一環もあるのだろうが、技術革新によりセダンの優位性が過去のものになったことも影響している。
従来、衝突安全性と後席の静粛性を高めるには、セダンのトランクが非常に有効なアイテムだった。しかし、高張力鋼板の採用やプレス技術の進化、コンピュータによるシミュレーションにより、衝突時の効果的なエネルギー吸収が可能になった。
静粛性に関しても、タイヤの進化や車体の振動特性の解析、アクティブノイズコントロール(騒音に対して逆位相の音を発生させることで静粛性を高める技術)などにより、快適性は一昔のセダンなどとは比べ物にならないほど高まった。
ミニバンのセカンドシートに近い広々とした感じを大型SUVで実現しているのが、高級SUVなのである。
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