連載
トヨタ「RAV4」はなぜ売れているのか “トレンドの変化”に応じた巧みな商品戦略:高根英幸 「クルマのミライ」(1/6 ページ)
トヨタの人気SUV、RAV4には、同社の挑戦の歴史が詰まっている。3ドアのコンパクト車から始まり、ニーズに合わせてボディを拡大。5代目からは再び日本でも販売し、人気車種になった。新型モデルも受注を停止するほどの人気で、収益に貢献するだろう。
高根英幸 「クルマのミライ」:
自動車業界は電動化やカーボンニュートラル、新技術の進化、消費者ニーズの変化など、さまざまな課題に直面している。変化が激しい環境の中で、求められる戦略は何か。未来を切り開くには、どうすればいいのか。本連載では、自動車業界の未来を多角的に分析・解説していく。
トヨタは2025年、グループ全体で1132万台を販売して、6年連続の販売台数世界一を達成した。かつてのライバル、フォルクスワーゲン(VW)はドイツ国内の製造コスト上昇や中国製EVの躍進などもあって、完全に差を付けられた印象だ。
VWはグループ内にポルシェやベントレーなどの高級ブランドもあるが、SUVに限って見ると、高級SUVは飛ぶように売れるカテゴリーではない。また、トゥアレグは日本市場では2018年に販売終了。SUVカテゴリーはティグアンとT-ROCに任せっきりで、若干心もとない印象が残る。
そのあたりがトヨタは実に巧みなのである。そこで、SUVの人気車種RAV4にフォーカスしてトヨタの商品戦略を振り返ってみたい。筆者もRAV4の人気ぶりについて何度も記事化しているが、振り返ってみると、これはトヨタの「挑戦の歴史」ではないか、と思える部分が大きいのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「残クレアルファード」はこうして広まった マイルドヤンキーとトヨタの“最適解”
トヨタの高級ミニバン、アルファードが人気を維持している。当初から突出して人気だったのではなく、3代目モデルのインパクトのある顔つきでヒットした。さらに、残価設定クレジットによって地方の若者にも手が届くようになり、長期的な人気につながっている。
スマホの「ながら運転」をどうやめさせるか カーナビの功罪とメーカーの対策
運転中のスマホなどの使用による死亡・重傷事故は増加しており、問題になっている。ながら運転をさせないために、ドライバー監視システムなどを普及させるとともに、運転中にスマホを使えなくすることも検討すべきだ。官民で対策を強化しなければならない。
クルマの正月飾りはなぜ廃れたのか 季節感が薄れた時代のクルマ文化
正月飾りを付けているクルマをほとんど見かけなくなった。車両構造やデザインの進化に加え、人々の価値観や宗教観の変化も大きい。新車の初売りやカー用品のラインアップにも変化があり、季節感はどんどん薄れている。
BYDの軽EVは日本で売れるのか 苦戦が予想される“これだけの理由”
中国のBYDが日本で軽自動車のEVを投入すると話題になっている。しかし、日本で売れるのかは微妙だ。その背景には、モノづくりに対する根本的な考え方の違いがある。品質に対する姿勢が従来と変わらないなら、日本ではあまり受け入れられないだろう。
EVは本当に普及するのか? 日産サクラの「誤算」と消費者の「不安」
日産の軽EV、サクラの販売が伸び悩んでいる。EVは充電の利便性に課題があることに加え、リセールバリューの低さが問題だ。ならばPHEVだ、という傾向もあるが、PHEVにも将来的に懸念される弱点がある。EVやPHEVを快適に使うためのシステム整備が求められる。
