くら寿司はなぜ「ちいかわ」に頼るのか 景品横領で見えた“コラボ依存”の落とし穴:スピン経済の歩き方(1/6 ページ)
くら寿司で起きた「ちいかわ」コラボ景品の横領事件。人気コンテンツとのコラボに依存する集客戦略のリスクと、外食企業が陥りかねない「コラボ商法」の落とし穴とは――。
スピン経済の歩き方:
日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。
大人が買い占めてしまうので、本来のターゲットである子どもたちはガッカリ。景品目当てなので、食べ物はそのままポイ捨て。店では早々に品切れなのにフリマサイトには大量に出品され、高値で取引されている――。
そんな数々の問題が指摘されていた外食チェーンの人気アニメとのコラボグッズを巡り、ついには社内犯罪まで起きてしまった。大手回転寿司チェーン「くら寿司」で起きた「ちいかわ」グッズの横領事件である。
同社では、食べ終わった皿を回収口に入れると抽選で景品が当たる「ビッくらポン!」というゲームがあり、この景品などを通じて、これまでさまざまなアニメや人気キャラクターとのコラボを実施してきた。
そんな中、8月21日から人気アニメ『ちいかわ』とのコラボキャンペーンを実施。景品としてフィギュアや缶バッジ、さらに湯呑みや絵皿のプレゼント企画、コラボメニューなども提供していたが、9月5日付の発表で、9月6日の営業開始時から全て中止すると明らかにした。
理由は「当社の従業員による不正行為が判明したため」である。8月下旬からSNSでは「景品は当たるが、なぜかフィギュアが当たらない」といった声が上がっていた。そんな中、フリマアプリ「メルカリ」で、今回のコラボフィギュアが同じ人物から大量に出品されていたことが注目を集め、くら寿司が調査に乗り出したところ、横領が発覚したという。
これを受けて、くら寿司は謝罪文とキャンペーンの中止を公表。ちいかわ目当てに来店を予約していた人々が、大量にキャンセルする事態になったため、同社はお詫びとして「全品10%割引」を実施。大人気コラボ企画の中止による客足の減少を補うのに苦心している。
では、今回の「景品横領事件」から他の外食企業は何を学ぶべきか。
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