ジャングリアは「約3万円のファストパス」を発売 各テーマパークで「高くても乗れる」チケットが普及した、納得の背景(3/3 ページ)
ここ数年、各テーマパークで有料の優先乗車券の導入が進んでいる。各パークの事例や背景をまとめていく。
ジャングリア「約3万円の高級チケット」はどんな内容?
ジャングリア沖縄は8月、大人2万9700円の「ロイヤルチケット」を発売した。パークとスパを両方利用できる1日入場券と、特定アトラクションの行列をスキップできる権利、駐車場無料券などがついた商品だ。開業当時からアトラクションごとに購入する優先乗車券「プレミアム パス」を販売していたが、こちらは時間指定があった。ロイヤルチケットの購入者は一部アトラクションを除いて時間の制限を受けず行列をスキップできる。
ジャングリア沖縄は開業当初、300分待ちになるなど過剰な混雑が課題となっていた。根本原因は客数の多さよりも、少ないアトラクション数や1施設当たりの収容数不足にあったとされる。
TDRやUSJのようなテーマパークは、小型の乗り物をコンベア上で大量に動かすアトラクションや、1回当たりの収容力が大きいアトラクションを運営している。当初のジャングリアにはこうした施設が不足しており、待ち時間が長引いていた。現在でも「混雑している」というイメージを持つ人は多く、ロイヤルチケットは、タイパを重視する層を取り込む狙いがあるとみられる。
優先乗車券が事業者にもたらすメリットとは?
国内の事例を振り返ると、お金で行列をスキップできる仕組みはここ数年で一気に普及したことが分かる。IPの人気や相次ぐテーマパークの閉園を背景に、TDRやUSJのような大型施設の来場者数は増加し、混雑が目立つようになったことが背景にあるだろう。TDRの事例で示した通り、長い待ち時間は顧客満足度の低下につながる。優先乗車券の販売は「待ちたくない」というニーズに応える狙いがある。
優先乗車券の導入による事業者側のメリットは、単に優先券の売り上げだけではない。行列をスキップした客は、行列に費やしていた時間を他の行為に充てられる。優先乗車でアトラクションを利用し終えた客が園内のカフェを訪れれば、飲食の収入が増えることになる。USJのように一部テーマパークの来場者数は増えており、優先乗車券の対象アトラクション数は増えていくかもしれない。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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