製造業7割が経験した「サプライチェーン寸断」 4割超が抱える"見えない弱点"とは:JX通信社とResilireが調査
サプライチェーンの寸断は、取引先が多岐にわたる製造業にとって、深刻なリスクになっている。JX通信社とResilireの調査では、国内製造業の7割超が寸断を経験していた。では、実際に寸断を経験した企業は、何に直面したのか。
サプライチェーンが寸断されれば、製造業の事業活動に大きな影響が及ぶ。だからこそ企業にとって、取引先を含めたサプライチェーンの把握が重要な課題だ。
報道ベンチャーのJX通信社(東京都千代田区)とサプライチェーンリスク管理サービスを手掛けるResilire(東京都港区)は、国内の製造業を対象に共同調査を実施した。調査では、7割を超える企業がサプライチェーンの寸断を経験していた。実際に寸断を経験した企業は、何が弱点として浮かび上がったのか。
7割超が経験したサプライチェーン寸断、企業の「弱点」はどこに?
自社のサプライチェーンの可視化状況について、Tier3(三次取引先)以降まで含めて「ほぼ把握できている」と回答したのは25.0%にとどまった。「Tier1(直接の取引先)のみ把握」は26.5%、「把握できている範囲は分からない」は18.0%だった。合わせて44.5%が、Tier2以降を十分に把握できていない、または把握状況が分からないと回答した。
サプライチェーンの寸断を経験したことがある企業は70.5%に上った。寸断の原因では「台風・洪水・河川氾濫・土砂崩れなど」(49.3%)、「大地震・津波など」(47.5%)と、自然災害が上位を占めた。
サプライチェーンの寸断を経験した企業に、サプライチェーンのBCP(事業継続計画)の課題を尋ねると「代替調達先の確保や分散調達ができていない」(55.6%)、「特定のサプライヤーへの依存度が高く、代替が効かない」(44.4%)、「Tier2以降のサプライヤーが把握できておらず、リスクが見えない」(27.0%)などが上位に挙がった。
一方、寸断未経験の企業では「分からない」(20.4%)、「特に盲点・弱点は感じていない」(17.8%)といった回答も多く、寸断経験の有無によって課題認識に差が見られた。
有事の状況把握、企業が求めるスピードの理想と実態に差
有事の際、自社のサプライチェーンへの影響範囲をどの程度の時間で特定したいかを尋ねたところ、「1時間以内」(8.5%)と「当日中」(35.3%)を合わせ、「当日以内」と回答した企業が43.8%で最多となった。一方、寸断経験のある企業に実際にかかった時間を尋ねると「当日以内」に特定できたのは35.2%にとどまった。企業が求めるスピードと実態との間にギャップが見られた。
今後のサプライチェーンリスク対策で、どのような外部支援を期待するかについて「Tier2以降のサプライヤーまで可視化・マッピングしたい」が38.7%で最多だった。「有事に備えた代替調達先を確保したい」(33.1%)、「サプライヤーのリスクをリアルタイムで監視したい」(30.8%)が続いた。Tier2以降が見えにくい状況に対し、サプライチェーンの可視化を求める企業が多いことが分かった。
調査は6月12〜13日にインターネットで実施した。国内の製造業に勤務し、サプライチェーンマネジメント(SCM)関連業務に関与している人を対象とし、有効回答数は532件だった。このうち、サプライチェーンの寸断を経験した企業に勤務する人からの回答は375件だった。
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