2015年7月27日以前の記事
検索
コラム

Salesforce好決算が証明した「SaaSは死なない」 画面を手放し裏側を握る生存戦略(3/5 ページ)

2月、AIの進化により「SaaSの課金モデルが崩壊する」との悲観論が広がり、市場から約1兆ドルが消滅した。だが、米Salesforceが8月に発表した好決算はこの「SaaSの死」論を事実上反証した。席数は減らず、AI企業自身が同社の基盤に依存していることが判明している。同社はAIにユーザー画面(インタフェース)を明け渡す代わりに、裏側の業務データと権限を握ることでSaaSの生き残り策を示した。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
ExaWizards

論点1:席は減らなかった AI企業こそがCRMに依存している

 ベニオフ氏の反論は、懐疑論の項目に一対一で対応する形をとった。席は減ると言われたが、自律型のAIエージェントを構築・カスタマイズできるプラットフォーム「Agentforce」の営業向け、サービス向け、そして傘下の「Slack」のいずれも席数が前年から増えた。

 顧客は離れると言われたが、解約率は過去最低水準に近い。価格支配力は失われると言われたが、上位エディションである「Agentforce 1 Edition」と「Agentforce for Apps」の受注は前四半期から倍増し、契約期間は新規・更新の全セグメントで長期化した。

 最も重要なのは「AIエージェントがアプリを不要にする」という予測への反証だろう。Model Context Protocol(MCP)経由やClaude経由でのプラットフォーム利用は6倍に膨らんだ。「アプリは死んでいない。むしろ伸びている」。世界の主要AI企業10社のうち9社がSalesforceとSlackを使っており、その支出は前年比で435%増えた。フロンティアモデルを開発するAI企業は、CRM(顧客関係管理)を不要にするどころか、強く依存しているのだ。

 同社最高執行・財務責任者(COFO)のロビン・ワシントン(Robin Washington)氏も、質疑の最後に「営業とサービスでは、席数の持続的な成長が見えている」と補足した。

© エクサウィザーズ AI新聞

ページトップに戻る