入園者数を抑えた「ディズニー」、伸ばし続ける「USJ」 年パスとIPの違いから狙いを読み解く(4/4 ページ)
東京ディズニーリゾートとユニバーサル・スタジオ・ジャパン。入園料は近い水準で推移してきた一方、年パスの有無やIP戦略、集客の考え方には違いがある。両社の戦略の違いを読み解く。
将来的にUSJが客数減を狙う可能性も
入園者数を抑えたTDRに対し、USJは集客を拡大している。業界レポートを発表している米Themed Entertainment協会によると、2022年のUSJの来園客数は1235万人で、2023年と2024年はいずれも1600万人だ。1300万人を下回っていた2010年代前半から大きく伸びており、2024年におけるUSJの実績は東京ディズニーランド単独の来園客数を上回った。
近年扱っている、任天堂、映画『ハリー・ポッター』、サンリオなどのIPはいずれも知名度が高い。国内外の多様なIPを取り入れていることが、集客につながったとされる。また、ヘビーユーザーにとって1回当たりの入場料を抑えられる年パスも、利用者数を底上げしていると考えられる。
USJは今後、拡張を見込んでいる。報道によると、パークに隣接する日本製鉄工場跡地の約6万平方メートルの土地を大阪市から賃借する計画だ。現在のパーク面積は約54万平方メートルで、拡張によって面積が約1割増える。2028年度からの契約を予定しており、開業時期は非公開だ。
今のところUSJの来園者数は伸び続けているが、前述の通り、TDRは混雑によって顧客満足度が低下した経緯がある。USJでも客数の増加が続けば、混雑を抑える必要が出てくる。
面積の拡張によって来園者密度を下げるにしても、その費用を回収しなければならない。今後、USJは年パスのさらなる値上げや入場除外日の拡大、ひいては廃止に踏み切るかもしれない。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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