なぜ「夜行新幹線」が実現? JR東海が“じっと待つ”ことを選んだワケ(2/4 ページ)
JR東海の夜行新幹線が大人気だ。初回のチケットはわずか2日で完売。第2弾も好評だった。深夜は駅に停車するにもかかわらず、なぜここまで人気なのか?
深夜運行の制限、どう克服した?
新幹線は原則として深夜に運行できない。しかし、その速達性を生かし、深夜帯はどこかの駅に停車し、その前後に高速で移動することで、夜行列車に近い運行が可能になる。
そこで注目されたのが、国鉄時代にも構想されていた、深夜帯に駅で長時間停車するというアイデアだ。
東海道ルミエールエクスプレスは、東京駅を午後10時に出発し、品川駅、新横浜駅を経由して、深夜に岐阜羽島駅に到着する。名古屋駅までは「のぞみ549号」と同じダイヤで走り、岐阜羽島駅で翌朝まで停車する。
停車中は、到着後と発車前の各30分間に限り、駅の改札内にある自動販売機や喫煙所を利用できる。深夜帯を駅で過ごすことで、新幹線の運行上の制約をクリアした。
翌朝午前6時過ぎに岐阜羽島駅を出発すると、京都駅には午前6時44分、新大阪駅には午前6時59分に到着する。通常の始発列車よりも早く新大阪駅に到着するのが特徴だ。
7月19日のマイナビニュースによると、新大阪駅からさらに西へ向かう列車に乗り継ぎ、同日午前中に博多駅や鹿児島中央駅に到着することもできるという。特急「くろしお」に乗り、和歌山方面に向かったことをブログで紹介している人もいた。
また、新大阪駅に早朝に到着するため、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」の開園時間にも間に合う。単に夜行列車の旅を楽しむだけでなく、早朝から現地で活動できるという良さもあった。
この列車は、JR東海ツアーズの旅行商品として発売された。料金は普通車で大人1人1万5000円で、通常の新幹線の運賃・料金と大きく変わらない水準だ。座席は窓側のみを販売し、隣にほかの乗客が座らないよう配慮。さらに、アイマスクやスリッパ、靴用の脱臭乾燥剤を配布するなど、車内で快適に夜を過ごせるよう工夫されていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なぜ、千葉駅は“物足りない”と感じるのか? 横浜駅と大宮駅との決定的な差
横浜駅や大宮駅は利用者も多く、存在感がある一方で、千葉駅にはどこか物足りなさを感じる。東京に隣接する県であり、中心都市であるにもかかわらず、なぜそのような印象になってしまったのか?
なぜ大宮は「都会っぽくない」のか? 巨大ターミナルなのに物足りなく感じる背景
鉄道の一大拠点にもかかわらず、都市感が弱い大宮。そのヒントは「さいたま市」の成り立ちにあった。
「北の玄関口」上野駅はどう変わった? 今も人を引きつける街の理由
かつて「北の玄関口」として栄えた上野駅。そのアイデンティティーはどこにあるのか?
池袋は本当に“一人負け”なのか 新宿・渋谷との比較で見えた街の個性
最初に「副都心」に定められた池袋・新宿・渋谷の中で、池袋は“一人負け”と言われることがある。それはなぜなのか?
高輪ゲートウェイは“ネタ駅名”だけじゃない いま「目的地の街」になりつつある理由
注目されている高輪ゲートウェイシティ。オフィス、商業施設、文化施設、レジデンスなど、あらゆるものが集積しているが、どのような場所を目指しているのか?
