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「人間のクズ」と部下に暴言→辞任 横浜市長パワハラ事件にみる、自治体トップで不祥事が相次ぐ納得の背景(3/4 ページ)

パワハラの告発を受けていた横浜市長が辞任に追い込まれた。このケースにとどまらず、近年は自治体トップの不祥事が相次いでいる。背景には何があるのか。そして、再発を防止するには何をすべきなのか。

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企業不祥事と自治体不祥事に共通するポイントとは?

 根本的な原因は、自身が市民の選挙によって選ばれた特別な存在であるという、自意識にあるのではないかと考えます。自分の周囲にいるのはたとえ幹部職員であろうとも公務員というサラリーマンであり、政治家である自分は、彼らとは「住む世界」が違う。それがゆえに組織内で誰からもとがめを受けないというおごった意識です。

 すなわち、自分とそれ以外の職員とを職務上の上下関係ではなく、身分階層的な上下関係として捉えているのではないでしょうか。

 似たような構造は、自治体組織以外でも起こり得ます。例えば同族経営の民間企業。オーナー家の後継者は、入社時に次期経営者の座を約束された特権階級と言えます。飛び級でトップに就くという点こそ首長とは違いますが、ある意味同じ落下傘型トップではあります。

 2023年に発覚したビッグモーターの不祥事は、特権階級である経営層による恐怖政治が、保険の不正請求などを引き起こしました。第三者委員会の調査では、創業者の子息による人事権を背景としたパワハラ管理が、その大きな原因であるとしています。特権階級意識による組織管理の暴走は、ハラスメントにとどまらず大きな不祥事をも生み出す要因になるのです。

 自治体における首長と同族企業における後継者の共通項として、自身がトップに立つ組織において、他の職員・社員と同じようには育ってきていない点が挙げられます。

 一般にサラリーマンは、組織の中でもまれ苦労もしながら、学び、成長し、管理する立場に昇進していきます。一方、首長や後継者にはそれがないケースがほとんどでしょう。同時に当然のこととして、周囲もまた特別な存在として彼らに接するでしょうから、彼ら自身の特権階級意識は一層強くなってしまいます。

 そうなってしまうと、段階的に組織の中で育ってきた者ならば持つであろう「上下関係を越えた同胞意識」やシンパシーを感じることができずに、部下に対して必要以上に強い姿勢や言動が容易に出てしまうのかもしれません。

 ちなみに、同じ落下傘型のトップでも、親会社からの出向の場合は、自身も同じグループで育った仲間であり、かつ親会社の管理下にあるという立場から特権階級意識は生まれにくい傾向にあります。ただし、最近増加傾向にあるM&Aにより子会社になった企業への「天下り」トップの場合には、特権階級意識が生まれやすい環境でもあるので、注意すべき存在と言えそうです。

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