定着率97%超 まいばすけっとの障害者雇用が「店舗の救世主」になった理由(3/3 ページ)
独自の仕組みや工夫によって障害のある従業員の定着やキャリア支援に取り組んでいるのがまいばすけっとです。同社の障害者雇用について話を聞きました。
障害者雇用から4人の正社員が誕生
井上: キャリアアップの仕組みについて教えてください。
吉田氏: 入社半年が経過すると「リーダーを目指すコース」か「メンバーとして働くコース」か選択できます。 リーダーとして1年経験を積むと、正社員登用試験の受験資格が得られ、これまでに4人の正社員が誕生しました。
正社員になるとキャラバン隊の採用や勤務シフトの調整など、現場全体の管理業務が中心になります。複数の業務を並行して進めるマルチタスクが求められるため、登用選考の段階でそうした業務への適性をしっかりと見極めています。
板倉氏: 私は10年の現場経験を経て、正社員登用1期生となりました。自分が現場で経験してきたことをメンバーに伝え、誰もが安心して働ける職場を作っていきたいです。
吉田氏: 正社員登用制度を導入して以降、職場見学会への参加者が年間200人から300人に増加しました。また、3週間の実習を導入したことで、以前は約80%だった1年後の職場定着率が、現在は97〜100%に向上しています。
石田氏: キャラバン隊が品出しを担うことで店舗スタッフの作業時間が削減され、店舗全体の生産性向上につながっています。
編集後記
今回の取材で見えてきたのは、まいばすけっとが高い定着率を維持できる背景にある3つのアプローチです。
採用前の3週間の実習を通じて、業務適性や職場の雰囲気を事前にしっかり確認できるようにし、入社前のミスマッチを防いでいます。入社後も作業手順だけでなく、職場のルールや細かなコツをチームリーダーが現場で指導することで不安を取り除き、業務に取り組めるようにしています。業務中は色分けされたエプロンや写真付きマニュアルなどの工夫を用いて感覚的な業務理解と効率化につなげています。
さらに、専任担当者や人事担当者が定期的に巡回することで、困りごとを一人で抱え込ませない環境を作り、心理的安全性を確保しています。
また、全員に一律の道を敷くのではなく、それぞれの目指す姿に寄り添った柔軟なキャリア設計も重要です。正社員登用という次のステップに挑戦できる環境に加え「現場メンバーとして長く働き続ける」という選択も尊重されており、結果として「この会社で長く貢献したい」という前向きな定着につながっています。
まいばすけっとのような、働く人の感情に寄り添い、一人一人が活躍できる環境を整えるアプローチは、今後の障害者雇用に取り組む多くの企業のヒントになるのではないでしょうか。
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