なぜ「広告を見ると水」なのか? 東京・上野に登場した不思議な自販機:○○したら、数字が見えてきた(2/2 ページ)
広告動画を見ると、天然水1本が提供される自販機「ADWATER」が東京・上野に登場しました。なぜ水なのか。広告を見る理由をつくる狙いと、運営して見えてきた課題を取材しました。
企業と消費者の関係
そして、いざ始めてみると、今度は別の課題が見えてきました。
本稼働から4日間で、水は「計502本」配られました。1日目(祝日)は68本、2日目(祝日)は209本、3日目(祝日)は88本、4日目(平日)は137本です。
1日目と3日目は祝日なのに、なぜ利用が少なかったのか。理由の一つが天候です。この2日間は、台風や雨の影響を受けました。利用数は天候に左右されるため、天気予報を見ながら、水を補充する量を調整する必要があります。
また、同じ人が何度も利用する可能性もあります。利用者が一部の人に偏ると、広告を見てもらえる人の数が限られてしまいます。そのため、より多くの人に広告を見てもらうための仕組みも検討しているそうです。
このサービスには、利用者を増やすほどコストが膨らむという課題もあります。現在のスポンサー料金は、1枠月80万円の固定制。水を配る本数が増えれば、その分だけGenectBoxの負担も大きくなります。
そこで同社は今後、水を配った本数に応じて広告費を受け取る「成果報酬型」への変更を検討しています。広告を見る人が増えるほど、広告主にも運営側にもメリットが生まれる仕組みです。
もう1つ、気になる話があります。長坂さんは、ADWATERをむやみに増やすつもりはないそうです。
「無料でもらえるのが当たり前になれば、感謝が生まれない」(長坂さん)
広告は、これまで「見てもらう」ことが基本でした。ADWATERは、そこに「見る理由」を加えています。自販機から出てくるのは水。でも広告主がほしいのは、15秒の注目。そう考えると、水を配る自販機に見えて、実は売っているのは「15秒」なのです。
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