日産、全社基盤「Nissan.DATA」は何がすごい? 「使えば使うほど、会社が賢くなる」仕組みの構築(2/2 ページ)
日産自動車では、全社データ基盤の運用を進める一方、多様なデータをいかにAI時代に即した「組織の知」へ進化させるかが課題となっていた。「Data for AI、AI for Data」を掲げ、データとAIの循環を高める同社の挑戦に迫る。
ファイルや社内用語をどうAIに読ませる? 「AIデータファクトリー」の実践
こうした構想を具体化するために、同社は2026年6月から「AIデータファクトリー」の活用を始めた。Nissan.DATAがこれまで扱ってきた構造化データに加え、Word、Excel、PDFなどの非構造化データもAI活用の対象にする。
非構造化データは各部門に分散している。そこでAIデータファクトリーでは、文書をAIが扱えるようにテキスト化するデータパイプラインや、ファイルにメタデータを付与する機能、社内用語をAIが理解できるようにする用語集の仕組みなどを提供する。
「構造化データと非構造化データをこのAIデータファクトリーサービスに通すと、AI-Readyデータになります。それが日産のナレッジ基盤になる」
日産が「データとAIの循環」で目指す次のフェーズ
日産では現在、業務部門からAIを活用したいという声が集まっているという。
河内氏によると、約45件の要望のうち最も多かったのが「会社の知識をAIで“AI-Ready化”して、ナレッジサーチや分析をしたい」というものだった。こうした需要に対して、AIデータファクトリーを活用できると見ている。
一方で、SaaSに搭載されたAI機能をそのまま使いたいというニーズもあるという。個別の業務プロセスにおいては、SaaS内でAIを完結させる「個別最適」のほうが使い勝手が良いケースもある。
データをいったんNissan.DATAに集約してから利用することが、全ての業務ユーザーにとって適しているとは限らないと河内氏も認識する。AIを検索や対話だけでなく、業務ワークフローに組み込みたいという需要もあるという。
Nissan.DATAでデータを集約し、そのデータをAIが扱える状態へ整え、AIによって生まれた新たな知識を再び蓄積する――。日産は、AIデータファクトリーを通じて、データとAIの循環を次のフェーズへと引き上げようとしている。
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