“100万ドル超の資産”を持つ日本人「290万人」、激化する「富裕層ビジネス」 SMBC、MUFG、みずほの戦略と課題(2/4 ページ)
日本の富裕層が290万人に達するなか、メガバンク各社が富裕層ビジネスの獲得合戦で火花を散らしている。3社の戦略と課題を整理し、メガバンクが見落としがちな「真の富裕層心理」に迫る。
MUFG:「エムット」始動 シニア・富裕層を攻める
2025年6月に始動したMUFGの個人向け金融サービス「エムット」では、新たなシニア・富裕層向けサービスとして「エムット Excellent Club」と「エムットそうぞく」を開始すると発表している。
エムットExcellent Club
エムット Excellent Clubは、三菱UFJ銀行が現在の「エクセレント倶楽部」を刷新し、2027年3月に開始予定の富裕層向け会員制プログラムだ。
入会資格は、三菱UFJ銀行の預り金融資産残高が3000万円以上、または資産運用残高が1000万円以上の個人となる。入会金・年会費は永年無料であり、年会費無料のクレジットカード「エムット Excellent Club カード プラチナ アメリカン・エキスプレス・カード」を付与する他、銀行の預かり残高に連動してポイント還元率が最大1.6%に上昇する仕組みも導入するという。
さらに、会員専用のリモートアドバイザリーサービス「エムット Excellent Brains」では、資産運用や相続、税務などの専門家がオンラインで無料相談を受け付けるサービスも用意した。
エムットそうぞく
また、エムットでは、三菱UFJ銀行のデジタル相続プラットフォーム「エムットそうぞく」を2026年度下期にリリースする予定だ。
「エムットそうぞく」は、家族との対話を起点に、情報の整理から生前の備え、相続手続きまでオンライン上で総合支援する。
主要サービスは以下の3つがある。
(1)「家族共有ノート」
医療や介護、資産などの情報を整理し、家族で話し合った内容を記録・共有するサービス。
(2)「もしもの口座バトン」
生前に預金を受け取る家族や割合を指定し、相続発生後に遺産分割協議を経ずスムーズに受け取れるようにする口座付帯サービス。
(3)「もしものたくす合鍵」
ユーザーが認知症などで資産管理が難しくなった場合の財産管理と、相続発生後の資産承継を1つのアプリ・信託で備えられるようにしたサービス。
出遅れ感が否めない 「エムット」が抱える課題と競合追撃への壁
華々しく打ち出された「エムット」だが、いまだ本格稼働には至っていない。「エムット Excellent Club」と「エムットそうぞく」だけでなく、注目が集まるデジタルバンク「エムットバンク」の始動も2026年後半になるという。
なお、三菱UFJ eスマート証券とロボアドバイザー大手ウェルスナビは、2027年度中にの合併を予定している。この合併により、ウェルスナビが持つスマホサービスや社内開発体制などを活用できる。
快走するSMBCグループの「Olive」など、競合他社による顧客の囲い込みが進む中、MUFGは大きく出遅れている。現時点では主要5大ポイント経済圏(楽天ポイント、PayPayポイント、dポイント、Pontaポイント、Vポイント)との強固な連携がないだけでなく、アプリ・ポイントの乱立、見劣りするネット証券などクリアすべき課題も多そうだ。
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