“100万ドル超の資産”を持つ日本人「290万人」、激化する「富裕層ビジネス」 SMBC、MUFG、みずほの戦略と課題(3/4 ページ)
日本の富裕層が290万人に達するなか、メガバンク各社が富裕層ビジネスの獲得合戦で火花を散らしている。3社の戦略と課題を整理し、メガバンクが見落としがちな「真の富裕層心理」に迫る。
みずほFG:「みずほプレミアムクラブ」と楽天提携強化
みずほ銀行の富裕層向けサービスには「みずほプレミアムクラブ」がある。みずほ銀行の円預金残高が500万円以上で、みずほ銀行・みずほ信託銀行・みずほ証券への預り資産合計が3000万円以上の個人を対象とした会員制サービスだ。入会金・年会費は無料。
会員には金利や振込手数料の優遇に加え、レストランの優待やプライベートクルーザー、健康相談といった非金融サービス「みずほベネフィット・ゴールド」を提供する。
みずほFGと楽天の資本業務提携
みずほFGでは楽天グループとの連携を強化している。2026年5月には、楽天の金融事業再編に伴い、みずほ銀行と楽天銀行が戦略的資本業務提携を発表した。みずほ銀行が保有する楽天カード株(14.99%)を引き上げ、相当分を楽天銀行に出資する。みずほ銀行の議決権比率は10.52%となる。みずほ証券から楽天証券への49%の出資は維持される。みずほ銀行の法人融資への楽天銀行の参加など業務面でも連携を強化するという。
楽天ポイントが貯まる「みずほ楽天カード」では、2026年9月からのポイント還元率を、従来の1%から業界最高水準の2%に引き上げている。ポイント付与の上限額も設けず、年会費無料カードでは最高水準の還元率といえる。
MiRaIウェルス・パートナーズ
2024年4月には、みずほ証券95%、楽天証券5%の共同出資会社「MiRaIウェルス・パートナーズ」(東京都千代田区)が営業を開始した。
世帯金融資産2000万円以上の顧客を想定し、資金運用のコンサルティングサービスを提供する同社は、対面証券とネット証券の強みを融合した資産運用の新しい形を掲げている。楽天証券の優れたUI/UXを持つオンラインプラットフォームや豊富な商品ラインアップをベースに、みずほ証券出身の経験豊富なアドバイザーが、資産形成から活用、承継まで幅広い悩みに対応する。2026年3月末時点で運用資産残高は100億円を突破している。
協業進むもシナジーは不十分? 真の相乗効果を生むための「提携策」とは
みずほと楽天の協業は進みつつあるものの、両社ともに顧客基盤の拡大や収益の増強に大きく寄与するような施策はなく、相乗効果は十分とはいえない。
例えば、個人の資産相談に特化した新型店舗「みずほのアトリエ」にて、楽天の富裕層ユーザーが対面で資産運用相談などができるようになるなど、今後はより踏み込んだ連携策も考えられるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
預金3000万円でプラチナカード無料 三菱UFJ「50兆円の富裕層囲い込み」に透ける焦り
三菱UFJ銀行が預かり資産3000万円以上の顧客を対象に、年会費無料のプラチナカードを提供する新会員組織を発表した。対象は顧客の2%ながら、個人預金の半分にあたる50兆円を占める層だ。「金利のある世界」の復活で預金の収益性が高まる中、一見攻めに見える大盤振る舞いの真の狙いは、親の世代交代に伴いネット銀行へ流れ出す「50兆円の相続流出」の防衛だ。メガバンク首位が仕掛けるLTV重視の防衛戦略の裏側に迫る。
三井住友「Olive」はどこまで広がるか “ナンバーワン連合”で狙う1200万口座
アカウント数700万を突破したSMBCグループの金融アプリ「Olive」。2027年度末の1200万口座を目標に、PayPayやマネーフォワード、SBI証券などナンバーワン企業と連携し、若者中心のサービスから全世代の生活インフラへと守備範囲を広げている。
みずほ銀行「2%還元、上限なし」の衝撃 なぜ、メガバンクは金利よりポイントなのか
日銀の政策金利が1%まで上昇する中、3メガバンクは預金金利ではなく、クレジットカードのポイント還元で顧客獲得を競っている。みずほが打ち出した「常時2%還元」は、三井住友や三菱UFJの「最大20%」と何が違うのか。その狙いと背景を探る。
電車に乗るだけでVポイント なぜ乗車そのものにポイントを付けるのか
10月7日から、首都圏の鉄道4社で「乗車ポイント」が始まる。Visaのタッチ決済で乗車するとVポイントが貯まる仕組みだ。鉄道会社が乗車データと購買データを組み合わせる狙いとは。
