「トイザらス」、おもちゃ市場「過去最高」でも倒産のワケ ドンキが買収、玩具店が生き残る道はあるか:古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(1/3 ページ)
「トイザらス」が倒産し、ドン・キホーテ運営企業が引き継ぐ。実は、国内の玩具市場は成長している。それなのになぜ、トイザらスは苦戦を強いられたのか。
筆者プロフィール:古田拓也 株式会社X Capital 1級FP技能士
FP技能士センター正会員。中央大学卒業後、フィンテックスタートアップにて金融商品取引業者の設立や事業会社向けサービス構築を手がけたのち、広告DX会社を創業。サム・アルトマン氏創立のWorld財団における日本コミュニティスペシャリストを経てX Capital株式会社へ参画。
玩具販売大手「トイザらス」が、日本での店舗運営から撤退した。その事業を引き継ごうと手を挙げたのは、ディスカウントストア「ドン・キホーテ」の運営会社だった。
日本トイザらス(川崎市)は10月1日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。負債総額は132億2600万円に上る。おもちゃ量販店として過去最大の倒産になるという。
同日付でドン・キホーテなどを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)と事業譲渡契約を結び、営業を継続する予定だ。PPIHの開示によると、同社の完全子会社がトイザらスの店舗とオンラインの販売事業を譲り受けることになるという。
そもそも、本家の米Toys “R” Us(以下、米トイザらス)は2017年にすでに経営破綻している。日米2つのトイザらス破綻には9年間の時差があるが、そこには共通点がある。
それは、いずれの局面においても「おもちゃ市場自体は成長していた」という点である。市場が伸びているにもかかわらず、成長の恩恵にあずかれなかったのはなぜか。今後、玩具販売店に生き残る道はあるのか。
米トイザらスは「ネットおもちゃ市場」をAmazonに取られた
米トイザらスは2000年8月、米Amazonと10年間の提携契約を結んでいた。AmazonのECサイト上でおもちゃやベビー用品などを独占的に販売する権利を得る代わりに、年5000万ドルの基本料に加えて手数料などを支払う内容だった。
米トイザらスは1998年に自社のECサイトを立ち上げており、ネット黎明(れいめい)期にいち早くネット通販の店づくりと運営に目を付けていた。しかし、それをAmazonに任せたことが後の敗因となる。
提携後、Amazonは自社サイトに外部の出品者を広く受け入れていく。2004年5月にその動向を察知した米トイザらスは、提携の解消を求めて提訴した。Amazonが外部の業者に競合する商品の販売を認めるなどして、独占の約束に反したという主張だった。
ここでは米トイザらスが勝訴した。裁判所は2006年3月に提携の解消を認め、AmazonのECサイト上にあった共同ブランドの店は同年6月末で閉店となった。
しかし、米トイザらスとAmazonが提携していた2000〜2006年は、ネット通販が急速に拡大した時期と重なる。約6年間で、トイザらスの商品を買っていた顧客データも、ECサイトを改善するノウハウも、Amazon側にたまっていた。米トイザらスは、ネット通販に早くから目を付けていたにもかかわらず、出遅れたスタートに甘んじることとなったのだ。
これが全ての元凶と断言するわけにはいかないが、結果だけを見ると、2005年に投資ファンドなどに買収され、2017年7月末の有利子負債は約52億ドルに達し、同年9月には米連邦破産法11条の適用を申請するに至ったのは事実だ。
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