年俸2800万円でも争奪戦 ウォール街で求人18倍、「FDE」の需要が跳ね上がる皮肉な理由(3/3 ページ)
米ウォール街の大手銀行で、複数のAIを連携させる「エージェント・オーケストレーション」技能を求める求人が前年比約18倍に急増している。AI人材の需要はモデル開発から、現場にAIを組み込む「FDE」(フォワード・デプロイド・エンジニア)へシフトした。基本給の中央値は約2800万円と高騰。AIの自律稼働時間が延びる中、暗黙の業務ルールを掘り起こせる人材やAIガバナンス担当者の争奪戦が過熱している。
暗黙のルールを掘り起こす人が勝つ
人材の希少さは報酬にも如実に表れている。Draupによると、エージェントAIエンジニアの基本給の中央値は約17万7000ドル(約2800万円)で、機械学習エンジニア(約16万7000ドル)やデータサイエンティスト(約13万5000ドル)を上回る。これには賞与や株式報酬は含まれていない。
銀行は、AIで人間の仕事を自動化しようと血眼になっている。しかしAI導入を進めれば進めるほど、皮肉にも価格が高騰しているのは「現場業務に埋もれた例外や暗黙のルールを泥臭く掘り起こせる人間」なのだ。
本記事は、エクサウィザーズが運営するAI新聞内の記事「ウォール街、AI導入(FDE)の求人が18倍に 年棒約2800万円」(2026年10月3日掲載)を、ITmedia ビジネスオンライン編集部で一部編集の上、転載したものです。
著者プロフィール
湯川鶴章
AIスタートアップのエクサウィザーズ AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。17年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(15年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(07年)、『ネットは新聞を殺すのか』(03年)などがある。
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