コラム
年俸2800万円でも争奪戦 ウォール街で求人18倍、「FDE」の需要が跳ね上がる皮肉な理由(2/3 ページ)
米ウォール街の大手銀行で、複数のAIを連携させる「エージェント・オーケストレーション」技能を求める求人が前年比約18倍に急増している。AI人材の需要はモデル開発から、現場にAIを組み込む「FDE」(フォワード・デプロイド・エンジニア)へシフトした。基本給の中央値は約2800万円と高騰。AIの自律稼働時間が延びる中、暗黙の業務ルールを掘り起こせる人材やAIガバナンス担当者の争奪戦が過熱している。
放置は危険 「AIガバナンス」求人も急増
AIエージェントが人の手を離れて働く時間も延びていく。
JPMorgan Chaseのデレク・ウォルドロン(Derek Waldron)最高アナリティクス責任者は6月、これまで1回の作業で2〜3分しか続かなかったエージェントの自律稼働を、年内に1〜2時間へ延ばす計画を明らかにした。いずれは数日、数週間に及ぶとみられる。人の確認を挟まずに動く時間が長くなるほど、一つの判断ミスが及ぶ損害リスクも跳ね上がる。
AIを動かす人材と並んで、AIを管理・監視する人材の需要も膨らんでいる。
「責任あるAI」に言及した求人は約7.6倍、AIガバナンスは約4.9倍に増えた。ガバナンス関連の技能への言及は1万6000件を超え、モデルの開発・導入・運用に関わる技能(約8400件)のおよそ2倍に達する。
背景には、規制当局が管理を銀行任せにした事情もある。米連邦準備制度理事会(FRB)など銀行規制の3当局は4月、分析モデルの管理指針を改定した際、生成AIとエージェントAIを「新しく、変化が速い」として対象から外した。当面は各行が自前の体制でガバナンスを敷くしかないのが実情だ。
© エクサウィザーズ AI新聞
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