2015年7月27日以前の記事
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年俸2800万円でも争奪戦 ウォール街で求人18倍、「FDE」の需要が跳ね上がる皮肉な理由(1/3 ページ)

米ウォール街の大手銀行で、複数のAIを連携させる「エージェント・オーケストレーション」技能を求める求人が前年比約18倍に急増している。AI人材の需要はモデル開発から、現場にAIを組み込む「FDE」(フォワード・デプロイド・エンジニア)へシフトした。基本給の中央値は約2800万円と高騰。AIの自律稼働時間が延びる中、暗黙の業務ルールを掘り起こせる人材やAIガバナンス担当者の争奪戦が過熱している。

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 ウォール街の大手銀行で、複数のAIエージェントに役割を分担させ、連携して一つの業務をこなさせる「エージェント・オーケストレーション」の技能を求める求人が急増している。

 人材データ分析の米Draup(ドロープ)が米CNBCに独占提供したデータによると、この技能に言及した求人は、2025年の108件から2026年は1967件へと、約18倍に増えた。銀行が求めるAI人材の重心は、AIモデルを作る人から、AIを業務の現場に組み込んで動かす人へ移りつつある。

 ビジネスSNSのLinkedInなどの公開求人をDraupが集計したところ、米JPMorgan Chase(JPモルガン・チェース)、米Citigroup(シティグループ)、クレジットカード大手の米Capital One(キャピタル・ワン)などのAI関連求人は、2026年は13万9819件と、前年より49%増えた。

 件数ではAIへの指示文を工夫するプロンプトエンジニアリング(1万1368件)がなお最多だが、伸び率ではオーケストレーションが突出する。Draupのヴィジェイ・スワミナサン(Vijay Swaminathan)最高経営責任者(CEO)は「ウォール街でいま最も熱い技能と言っていい」と話す。

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価格が高騰しているのは「現場業務に埋もれた例外や暗黙のルールを泥臭く掘り起こせる人間」なのだ(写真提供:ゲッティイメージズ)

年俸2800万円「FDE」に求められる役割

 担い手として急務で求められているのが「FDE」(フォワード・デプロイド・エンジニア)と呼ばれる職種だ。

 社内のAI開発部門にこもらず、トレーディングやコンプライアンス(法令順守)、事務処理などの現場に入り込み、AIを業務に組み込む役割を担う。必要なエージェントを選び、それぞれに何を任せ、どの技術を使い、どの段階で人間が確認に入るかを決定する。高度な技術力に加え、担当業務への深い理解が欠かせない。

 一見単純な業務であっても、自動化は一筋縄ではいかない。スワミナサン氏によると、社員の休暇申請の承認をエージェントに任せるだけでも、想定外のケースや例外規定が網の目のように絡み合うという。

 企業の現場業務には目に見えない複雑さが潜んでおり、同氏は「単純な業務の自動化にも長い時間がかかる」と指摘する。Draupの分析では、問題解決力や創造性、本質的な質問を投げかける力といった「ソフトスキル」にも、あらためて注目が集まっているという。

© エクサウィザーズ AI新聞

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