「英語が話せればいいわけじゃない」 第一三共が「未来の経営層」を育てるために“少数精鋭”の大学で教えていること(3/3 ページ)
製薬大手の第一三共が立ち上げたグローバルリーダー育成プログラム「DS Academy」。「英語が話せればいいというものではない」と語る同校校長の小川晃司氏に、真のグローバル人材を育てる仕組みと狙いを聞いた。
英語ができるだけではグローバルリーダーと言えない
参加者からは「プログラムを通じて全社的な視点で物事を考える機会が増えた」「地域や部門を越えたネットワークができた」といった声が寄せられているという。
「参加者にはプログラムで得た経験や学びを、自分の仕事で実行に移してもらいたい。周囲の人や部下にも良い影響を与え、学びを組織に還元していくことを期待しています」
小川氏は、育成したいリーダー像の1つとして「アカウンタブルマインドセット」というキーワードを挙げる。課題を自分事と捉え、自ら動いて解決にあたる姿勢を指す。加えて、自部門の範囲にとどまらず全社の視点から考えること、製薬ビジネスの長い時間軸を踏まえて判断することも重視する。
グローバルリーダーに必要な能力については、英語力だけでなく、異なる文化や背景を持つ人々と意思疎通し、協働しながら新たな価値を生み出す力を挙げる。
「グローバルリーダーは、英語が話せればいいというものではない。異なる文化の人たちとしっかりコミュニケーションを取り、自分の考えを伝え、多様なメンバーと一緒に新しい価値を作り出していくことが大切です」
患者を事業活動の中心に置く「Patient Centricity」(ペイシェント・セントリシティ、患者中心)の考え方も重視する。
「患者さんが、私たちの価値を届けたい最終的な相手です。患者さんのために自分たちはどう行動すべきなのか。革新的な医薬品を、高品質なものとして、できるだけ早く届けることを軸に考えていく。その姿勢が、競争力の源泉になり得ると考えています」
今後は、現在の2つの階層から対象者を広げるとともに、グローバルな人事制度全体の中で育成プログラムをどう位置付けるかも検討していく。参加者の声や事業環境の変化を取り入れながら、プログラムを少しずつ磨いていく方針だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
コニカミノルタ、「社内副業」開始の狙い 月20時間で「10万円」、運用して見えてきた“想定外のメリット”とは
コニカミノルタは7月、社員が現在の部署に所属したまま、他部門の業務に携わる「スキルシェア制度」を導入した。月20時間の業務に対し、10万円の手当を支給する。社内の専門人材を部門横断で活用する狙いだ。
なぜ高収入の“超エリート集団”は一線を越えたのか プルデンシャル不祥事の深層
プルデンシャル生命の不祥事を受け、成果主義の弊害やガバナンス不全といった「制度」の問題について多く議論されている。しかし、どれほど厳格な仕組みを整えても、それを動かすのは人間だ。本記事では、同社の事例を手掛かりに、エリート集団が陥りがちな「心の動き」に着目する。
