アサヒロジはどうやって「年826時間」を削減した? 2万件の契約書を一元管理する“泥臭い改革”とは(2/3 ページ)
全国79拠点・約2万件の契約書管理が属人化していたアサヒロジ。クラウド管理への移行と地道な現場の巻き込み施策により、年間826時間の業務削減を達成した。ガバナンス強化と効率化を両立させた同社のDX軌跡を紹介する。
まずは目的と手段を整理
最初に取り組んだのは「実現したい状態の設定」だった。同社は「国が定める新たなガバナンス水準を満たし、リスクがない状態」を目標とし、その手段として全社統一の適切な契約管理を位置付けた。
「いつの間にか手段が目的化してしまうのはよくある。本来の目的を見失わないよう、関係者間で共通認識を持ち続けることが、DX推進でも肝になる」
選定したContract Oneは、紙と電子の契約書を格納できる。アップロードした契約書から基本項目を自動で抽出して親子関係をひもづけ、その情報をもとに台帳も自動で作成する。契約書名だけでなく期日や契約状況でも検索でき、ユーザー数が無制限のため、アカウントを発行すれば社員の誰でも参照できる。これらが先の課題の解決につながると判断した。
2万件の取り込みは「文化祭の準備のよう」
導入後にまず着手したのが、過去の契約書の取り込みだ。紙の契約書のスキャンとインポート、原本保管はSansanが代行する。ただし、その前に契約書を集め、不要なものを取り除き、梱包して発送する作業が必要になる。対象は2万件に上った。
「これは一体何人で対応すれば終わるのかと、気が遠くなったことを今でも覚えています」
プロジェクトメンバー以外の協力も得て、DX推進部10人と総務部6人の計16人で対応した。ここで工夫した点は、3つあったという。
1つ目は、作業状況をExcelで見える化したこと。誰がどこまで進んだのかが一目瞭然で、チャットで協力をお願いするよりも、当事者意識が芽生えて取り掛かりやすくなった。
2つ目は、専用のチャットグループで作業日を発信したこと。「あの人がやるなら今日は私もやろう、という流れが生まれ、集まって黙々と作業する中で良い相乗効果があった」と説明する。
3つ目は、一度出た質問をまとめたQ&Aページの作成。契約書の中身を見慣れた総務部に対し、DX推進部は適切な対処が分からず質問することが多く、こうした仕組みで解決した。
「なんだか文化祭の準備のようでした」と藤崎氏は振り返る。こうした積み重ねで、作業は予定より2週間早く終わった。その後は全国79拠点に向けて複数回の説明会を開き、録画やマニュアルも展開した。
「ただ待っていてもシステムを利用してもらえない。こちらから発信して、やっと振り向いてもらえる」(藤崎氏)
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