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深刻な「中国依存」を脱せるか 老舗問屋が動いた「空気を使った肥料づくり」とAI農業とは?(2/3 ページ)

中国が輸出の蛇口を少し締めるだけで、日本の田畑からみずみずしい作物が消え失せかねない──。化学肥料原料のほぼ全量を海外に握られた日本の農業。この食料安全保障の急所に立ち向かうのは、売上高500億円を誇る「100年続く資材問屋」だ。湯気立つ牛ふんにプラズマを当てて空気から肥料を錬成し、熟練農家の「30年の眼」をAIに移植する。裏方の商人が自らリスクを取り、輸入依存を打破する勝算に迫る。

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輸入に頼らない肥料づくりへ プラズマ実用化の壁は窒素固定の効率

――この技術が普及したら、農業はどう変わるのでしょうか。

 まず、肥料の原料を海外に頼らなくてもよくなります。国内で循環する肥料づくりができ、しかも自然由来のものを取り込むため、化学合成の原料を使いません。

 もう一つの利点は、使われていない資源の活用です。牛ふんや鶏ふんは、堆肥として使われる分もありますが、多くは焼却されています。それを肥料にすることで、焼却で出るCO2の削減にもつながります。

――プラズマ技術が実用化し、広がるには何が課題になりますか。

 現在は手探りの状態です。プラズマを照射した場合に、成長に差が出ることは確認できています。サトウキビの生産では成長に差が見られましたし、小松菜の育成試験でも、照射したほうが大きくなりました。目で見て違いが分かる、というところまでは証明できています。

 ただ、あくまで「なんとなく」の段階で、答えはまだ出ていません。課題は、どれだけ効率よく窒素を固定できるかです。どのくらいの強さで、どのくらいの時間、何回照射すればよいのか。窒素を何%固定すればいいのか。それらを効率よく実現する道筋が見えたときが、広がる瞬間になるでしょう。

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welzoが福岡市西区今津に開設した「welzo研究農場」

――研究農場では、ハウス栽培分野で高度な栽培指導技術を持つグループ会社のジャットが持つ農業の知見を、デジタル化しようとしています。なぜそこに着目したのでしょうか。

 ジャットは、土壌分析や生育診断をもとに栽培を指導する知見を持つ会社です。ジャットにいる専門家には、畑に入って茎の状態や花を見ただけで「1カ月前に水を切っただろう」といったことが言える人材もいます。周りの雑草の状況から、生育の状態や病気の判断も、その場で次々とやってのけます。その域に達するには「ハウスや畑に足しげく通って経験を積み、30年はかかる」と本人たちは言います。

 農業の現場では、隣り合う畑の片方はよく育ち、もう片方は育たないということがよくあります。うまく育てている農家は、そのやり方を抱え込んで外に出しません。当社の社内も同じでした。「背中を見て学べ」「30年かけて自分で経験しろ」というやり方です。この時代に、それを待てるでしょうか。ならば、蓄積された知見を引っ張り出してデジタル化しようというのが研究農場の出発点でした。

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welzo研究農場の内部(welzo提供)

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