+D Style 最新シネマ情報:ブラッド・ダイヤモンド

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ダイヤモンドを購入するときの4つの「C」。color=カラー、cut=カット、clarity=透明度、carat=カラット。でも、もう1つチェックすべき項目がある。それはconfrict=争い。本作は5つ目の「C」の話である。

 舞台はアフリカのシエラレオネ共和国。反政府軍RUFは活動資金を得るべく、村を襲撃し、働けそうな男たちはダイヤモンド採掘の強制労働に就かせ、誘拐した子供たちには敵を殺すように洗脳していた。猟師のソロモンもそんな1人。彼は採掘中に発見した大粒のピンク・ダイヤモンドを、こっそりと地面に埋めて隠す。このダイヤを探す死の商人ダニーと密売の実態を暴きたい女性ジャーナリストのマディー。運よく解放されたソロモンは、息子がRUFに誘拐されたと知り、取り返すべく奔走する。それぞれの目的のために、ソロモンとダニー、そしてマディーは手を組むが……。

 アフリカの内紛を背景にした社会問題を真っ向から取り上げつつ、ハリウッド流のエンタメ精神も忘れないとは、「ラスト サムライ」のエドワード・ズウィック監督らしい。とはいえ、壮絶な市街戦や大量虐殺など、これでもか! と続く残虐なシーンに異様な緊張感も漂う。

 俳優陣も申し分ない。特にダニー役のレオナルド・ディカプリオ。人が人を平気で殺す、そんな死と隣り合わせの世界に身を置き、したたかに生きることでサバイブしてきた冷酷な男を、野性味たっぷりに演じ新境地を開拓している。それにしても、陰のある悪役がこれほど似合うとは! ゴールデングローブ賞には「ディパーテッド」とともに主演男優賞Wノミネートの快挙を成し遂げたが、アカデミー賞では本作だけのノミネートというのも納得の熱演である。これで「タイタニック」のスウィートなレオ様からようやく卒業できそうだ。“役者”ディカプリオの今後に大いに期待したい。

 世の女性を魅了するダイヤ。その輝きに隠された人間たちの醜い争い、そして流される罪なき者たちの血。ダイヤをおねだりされている男性は、彼女と劇場に足を運んでみてはいかがだろうか。彼女はきっとダイヤが欲しいとは言わなくなるはずだから。

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ブラッド・ダイヤモンド

監督:エドワード・ズウィック/脚本:チャールズ・レビット

出演:レオナルド・ディカプリオ、ジャイモン・フンスー、ジェニファー・コネリー、マイケル・シーン

配給:ワーナー・ブラザース

2007年GWよりサロンパス ルーブル丸の内ほか全国松竹・東急系でロードショー

(C)2007 Warner Bros. Entertainment Inc.



筆者プロフィール

本山由樹子

ビデオ業界誌の編集を経て、現在はフリーランスのエディター&ライターとして、のんべんだらりと奮闘中。アクションからラブコメ、ホラーにゲテモノまで、好き嫌いは特にナシ。映画・DVDベッタリの毎日なので、運動不足が悩みの種。と言いつつ、お酒も甘いものも止められない……。


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