コラム
» 2007年04月05日 10時00分 公開

キサラギ+D Style 最新シネマ情報

自殺したアイドル「如月ミキ」の一周忌に集まった熱狂的ファンの男5人。思い出を語るはずのマンションの一室で事件は起きていく……。

[本山由樹子,ITmedia]
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 歌もダメ、演技もダメというB級アイドル・如月ミキ。そんな彼女が突然の自殺を遂げてからはや1年が経った。ネットで知り合った熱狂的なミキちゃんファンの男5人が、彼女の1周年追悼パーティーで初めて顔を合わせることに。互いをハンドルネームで呼び合い、それぞれのコレクションを見せ合い、ミキちゃんの思い出にドップリと浸るはずだった。だが、ある1人の「彼女は自殺したんじゃない。殺されたんだ……」という衝撃発言を発端に、事態は思わぬ方向へと転がっていく。

 これ以上ストーリーを書くとネタバレになってしまうので控えるが、オリジナルは古沢良太が小劇団「48(ヨンパチ)BLUES」のためにシナリオを書き下ろし、2003年に上演され、好評を博した人気芝居だ。舞台はボロマンションの一室というワンシチュエーション。このワンシチュエーションという設定は、出てくる役者がうまくないと正直きつい。だが、ここでは若者部門の小栗旬と小出恵介、大人部門のユースケ・サンタマリアと香川照之、お笑い部門のドランクドラゴン・塚地武雅の掛け合いと演技バトルにすっかりハマり、気づけばミキちゃん萌え〜な5人の仲間入り。

 次々と明かされる新事実。サイコロの目がどっちに転がるか分からない緊張感、まさに一寸先は闇という言葉がピッタリのサスペンスフルな会話劇。二転三転ではきかない、四転も五転もするめまぐるしい展開に、キャストはもちろん、観ているこちらも振り回される。それが、中盤以降、パズルのピースがはまっていくような快感を覚え、笑い、そしてラストはホロリ。

 サスペンスとコメディのバランスが絶妙で、出演者全員が脚本にほれ込んでオファーを快諾したというのも納得。久々にアッパレな面白さ! 「家元」「オダ・ユージ」「スネーク」「イチゴ娘。」「安男」、さて誰がどのハンドルネームでしょうか? 劇場でぜひ確かめて!

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キサラギ

監督:佐藤祐市/原作・脚本:古沢良太

出演:小栗旬、ユースケ・サンタマリア、小出恵介、塚地武雅、香川照之

配給:東芝エンタテインメント

2007年初夏より渋谷シネクイント、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー

(C)2007「キサラギ」フィルムパートナーズ



筆者プロフィール

本山由樹子

ビデオ業界誌の編集を経て、現在はフリーランスのエディター&ライターとして、のんべんだらりと奮闘中。アクションからラブコメ、ホラーにゲテモノまで、好き嫌いは特にナシ。映画・DVDベッタリの毎日なので、運動不足が悩みの種。と言いつつ、お酒も甘いものも止められない……。


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