基本的に、お金を出せば性能が良くなって行くのはボールペンに限らない。しかし、安くても優れものがあることがまた楽しいのだ。見せかけのリッチ度を問わなければ、軽量でスムーズな書き味を実現している本来のボールペンは数多くある。
国産の多くのボールペンは200円未満の価格ながらも、スペックはほぼ世界基準をクリアするだろう。そんな多くの廉価版のボールペンの中で筆者の一押しは、安価な「フィッシャー・スペースペン」だ。筆者はフロリダはNASAのケネディ・スペース・センターのスーベニアショップで購入した。紛れもない「価格性能比で賞」だ。
世間にはボールペンを、その機能の豊富さや価格性能比だけでは選択しない人も多く存在する。全身に宝石をちりばめた数百万円のボールペンは別格だとしても、昨今流行の中年男性誌で取り上げられたりする人気のありそうなボールペンには「一風変わった面構え」が必要だ。
また、「あまり巷では見かけない」というプチセレブな雰囲気も必要だ。そんなちょい悪オヤジ向けのボールペンなら、ヨルグイゼックのボールペンが最適だ。BICの記念モデルやエム・ワイ・レーベルのロケットペンキャップ&アクリルペンも「ちょい悪オヤジで賞」のメンバーに加えてもおかしくは無いだろう。
ボールペンの中には、個性的過ぎるデザインに注力するばかりに、本来のボールペンが持つ「携帯性」をまったく無視し、それでも圧倒的な個性を主張するクレージーだが超個性のオーバーラン商品が存在する。
フランスの有名な筆記具メーカーであるジャンピエールレピーヌが日本国内でも今年の夏から発売開始した「フリーライド」がその代表格だ。個性的なデザインには惹かれるものの、市販のほとんどのペンケースには収まらず、シャツの胸ポケットにも収まらない。「普通は持ち歩かないで賞」筆頭候補だろう。
有り余る個性的デザインと3万円近い販売価格から、ほぼ99%の日本人には歓迎されそうもないユニーク性が魅力。もちろん、携帯しづらい以上に持ちにくく、長時間の筆記には100%向いていない。しかし、オフィスや自宅のデスクの上にさりげなく置いた奇異なイメージは、話題に事欠くことはないだろう。たった1本しか高級なボールペンを買う余裕がない人が最初に選ぶモデルではない。こんな遊び心のペンを持っているなら、もっとまともなペンは一杯持っているだろうと思わせてしまうパワー感は圧巻だ。腕時計で言うなら「アランシルベスタイン」だ。
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