コラム
» 2007年09月14日 13時46分 公開

「キングダム/見えざる敵」+D Style 最新シネマ情報

自爆テロに乱射事件といまだ終わらない悲劇の裏側を、ドキュメンタリー・タッチの映像で見せていく。憎しみは憎しみしか生まないという負の連鎖、最後にはガツンとやられるハードな作品。スクリーンでそのメッセージを受け取ってほしい。

[本山由樹子,ITmedia]
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 タイトルのキングダム=王国とはサウジアラビアのこと。サウジの首都リヤドにある石油会社の外国人居住地区で、グラウンドで楽しそうに野球をする家族たち。彼らを狙った無差別テロが発生。警備員が「こっちだ、こっちに避難しろ」と必死に誘導する。

 子供たちが泣きながら集まってきたところで、その警備員が自爆。犠牲者数は数百人に及び、グラウンドは血の海に。その中にはFBI捜査官もいた。首謀者はアルカイダ・メンバーのアブ・ハザム。親友を殺されたロナルド・フルーリーら4人のFBI捜査官がサウジに乗り込み、アブ・ハザムを捜し出そうとする。ところが、拳銃を取り上げられ、地元警察に終始監視され、事件の捜査はままならない。タイムリミットはわずか5日間。彼らは文化や習慣の違いを乗り越え、事件を解決することはできるのか!?

 主演は「Ray/レイ」「ドリームガールズ」などで知られるオスカー俳優のジェイミー・フォックス。紅一点には、先日来日を果たした「エイリアス」のジェニファー・ガーナー。監督はピーター・バーグ。

 1996年に実際にサウジで起きたホバル・タワー爆破事件をヒントにしているが、このストーリー自体はもちろんフィクション。FBI捜査官の1人がテログループに拉致され、仲間が助けに行くなどあり得ない展開もチラホラあるが、それでも全編緊張感タップリ。自爆テロに乱射事件、人質ビデオと、いまだ終わらない悲劇……テレビで流される中東絡みのニュースの裏側を、揺れ動く手持ちカメラによるドキュメンタリー・タッチの映像で見せていく。銃撃シーンも稀にみる迫力。まるで、その現場に放り込まれたようなリアルさだ。それもそのはず、「ヒート」「コラテラル」の名匠マイケル・マンがプロデュースを務めている。

 しょせんハリウッドのご都合主義なアクション映画でしかないといえば確かにそうだが、憎しみは憎しみしか生まないという負の連鎖もきっちり描き、最後にはガツンとやられるハードな作品。スクリーンでそのメッセージを受け取ってほしい。

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(C)2007 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

キングダム/見えざる敵

監督:ピーター・バーグ/脚本:マシュー・マイケル・カーナハン/製作:マイケル・マン、スコット・ステューバー

出演:ジェイミー・フォックス、クリス・クーパー、ジェニファー・ガーナー、ジェイソン・ベイトマン

配給:UIP

2007年10月13日より全国ロードショー



筆者プロフィール

本山由樹子

ビデオ業界誌の編集を経て、現在はフリーランスのエディター&ライターとして、のんべんだらりと奮闘中。アクションからラブコメ、ホラーにゲテモノまで、好き嫌いは特にナシ。映画・DVDベッタリの毎日なので、運動不足が悩みの種。と言いつつ、お酒も甘いものも止められない……。


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