コラム
» 2009年02月16日 10時00分 公開

+D Style 時計探訪:男なら1本は欲しい、骨太ダイバーズウォッチ (1/2)

たとえ海に潜らなくても、夏じゃなくても、やっぱり気になるのがダイバーズウォッチ。腕にはめているだけで自分がタフになった気分になれるし、スポーティーなファッションにも似合う。そして、いざ! という時にも安心だ。

[泰 仁,ITmedia]

腕時計の歴史とともに進化してきた「防水・防塵性能」

photo ロレックス サブマリーナ

 精密機械である時計の大敵といえば、なんといってもほこりや水。時計内部のムーブメントにちょとした糸くずやほこりが付いたり、また湿気などによってさびが発生したりと、それが原因で精度や持続時間に大きな影響を与えてしまう。時計進化の歴史は、ある意味、防塵、防水性との戦いの歴史だったともいえる。

 ポケットウォッチから腕時計に移行した直後の1900年代初頭は、各時計メーカーはこぞって耐久性と気密性の高いケースの開発に精力を注いでいた。しかし初期の腕時計は、肌に直接触れる裏蓋とケースとの間や、リュウズとケースとの隙間から、汗や水、そして小さな塵が舞い込んだりと、ほぼ無防備といっていい状態だった。“Wケース”と呼ばれる、時計のケースを2重構造にした時計も登場したが、一般的にはあまり普及しなかった。

 本格的な防水ウォッチが歴史上に登場したのは、1926年にロレックスが完成させた防水ケース「ロレックス オイスター」が最初となる。裏蓋とリュウズがケース本体にねじ込まれるよう設計されたケースは、オイスター(牡蠣)のネーミングどおり、確実な耐水性能を発揮する世界初の防水時計であった。

 その後、何回かの戦争を経て、“戦場”という過酷な状況下、腕時計の防水性・耐久性・精度は、飛躍的な進化を遂げていった。

 さて、ダイバーズウォッチと呼ぶに相応しい優れた防水機能を備えた時計が生まれたのは、1950年代の前半。それは、すでにオイスターケース、スクリューダウン式リュウズで特許を取得したロレックスが開発した、自動巻システムのパーペチュアル機構を備えた「サブマリーナ」である。潜水時間の経過が容易に分かる回転ベゼルを装備し、その頑丈なケースは水深100メートルまで耐えられる防水性能を実現した。これは当時の時計メーカーや海洋関係者を驚かせるに値する、最強スペックでもあった。


photophoto

ロレックス「サブマリーナ」

1960年代半ばから1980年代後半までロングセラーを記録したRef.5513。初代モデルには存在しなかったリューズガードが装備され、当初100メートルだった防水性能は2倍の200メートル防水に。写真のモデルは1970年代前半まで作られたタイプで、デイト表示がなく、また時間表示インデックス(丸や四角)周囲に金属の縁取りがないのが特徴。これがアンティークテイストを醸し出し、ロレックスファンに高い人気を博している。ブレスレットも、一般的なスタイルと異なるダブルロック式で、簡単に外れない工夫がみられる。


プロ仕様とダイバーズモデル

 普通の空気を圧縮した「圧縮空気」を使用する一般的なレジャー・ダイビングとちがって、100メートル以上を潜水するような潜水員や職業ダイバー(プロフェッショナル・ダイバー)は、潜水時に酸素とヘリウムを混ぜた混合気体を使用する。深海探査などではダイバーがチャンバーという容器の中に入って潜水するが、その際使用するヘリウムガスは時計内部にまで入り込んでしまう。そのまま浮上すると、外の圧力は低下しても、時計内部は高圧のままという状態となり、時には逃げ出そうとする圧力で時計の風防が吹き飛んだりと、時計を壊してしまう場合もある。

 これを防ぐために、時計内部のヘリウムを外に逃がしてやる機構が「ヘリウムエスケープバルブ」。この機構が、プロ仕様と呼ばれるプロフェッショナル・ダイバーズウォッチの特徴だ。一方、ダイバーズモデル、ダイバーズ仕様と呼ばれる時計は、一般的な時計よりも高い防水性能を備えたスポーツウォッチと思ったほうがいい。

 現在、ダイバーズウォッチの防水性能はなんと3900メートル(こちらもロレックス製)。レジャーダイビングでは水深30〜40メートルがせいぜいなので、4ケタという数値は、はっきり言って必要ないかもしれない。ただ水深30メートルに潜るとき、3900メートル防水の時計と100メートル防水のそれでは、なんといってもその安心感が違う。例えば高速道路を660ccの軽自動車でドライブするより、5000ccのスポーツカーで走ったほうが、不安感なく余裕をもってアクセルを踏めるのと同じだ。

 しかし、レジャーダイブはおろか素潜りもしない。サーフィンやヨットなどのマリンスポーツにも縁がなく、せいぜい夏場に湘南あたりのビーチかプールでジャブジャブやる程度といった“潜らない人”でも、ダイバーズウォッチが大いに魅力的に感じられるのはなぜだろう。やはり、時計が持つ信頼性とタフ(スポーティー)なイメージに惹かれるからではないだろうか。

 余談だが100メートル防水の基準は、水深100メートルと同じ水圧状態にしてテストするので、例えば強烈な大波とか、滝に打たれる、水圧の高いシャワーを浴びるといった場合は、瞬間的に想像以上の水圧が時計に加わることあり、防水ウォッチといえども一概に安心はできない。そこで今回は、いずれも200メートル防水性能、さらにそれ以上のスペックを誇る、骨太なダイバーズウォッチたちを紹介しよう。

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