史上最小ボルボ登場!「Volvo C30」:+D Style モテるクルマの選び方
ボルボ史上最もコンパクトなクルマ「Volvo C30」が発売されます。伝統を守り続けているボルボが、ここまでデザイン改革をしてまでもコンパクトカー市場に参入してきた事実に驚嘆。やはり“モテ”はコンパクト車へシフト?
「やっぱり時代はプレミアム・コンパクトカーなのね……」
梅雨の千葉の空の下で、感慨深くステアリングを握る私。しっとりと上品な革張りのステアリングは、まるで手のひらに吸い付くよう。インテリアも、とってもシック。さすがイケアを生んだスウェーデンの高級車メーカーだわ……、とその匂い立つような「おとなっぽさ」に浸ってしまう……。
あのボルボから、ボルボ史上最もコンパクトなクルマ、C30が発売されます。最もコンパクトで、最も強いメッセージを持つクルマ、それがこのC30なんです。
「でもさぁ、ボルボでしょ……。それってなんかオジサンくさくない?」
なんて思った方は、実は正しい。現在のボルボはオーナーの平均年齢が46歳、これはほかの自動車メーカーに比べてもちょっとオトナな年齢。読者の皆さんがちょっとしり込みしてしまう気持ち、よ〜〜く分かります。
でもそれじゃあ、若い世代にいつまで経っても受け入れてもらえない! うちの素晴らしい技術を、若い人にも味わって欲しい!! と入念なリサーチを行い、ボルボらしさを残しつつも斬新なデザインを導入し、35歳以下の若い世代のエントリーモデルとして、開発されたのがこのC30。
ボルボだって、若い世代のボルボ離れを憂いていたのです。
さらに面白いのは、そのU35の中でも、かなりコアターゲットがはっきりと想定されている点。
・ 若い
・ シングル
・ 子供ナシ
ちょっと、それ間口狭くない?! なんて思わず文句のひとつでも言ってしまいそうな感じもあるんですが、私はそこに好感を持っちゃったの。
数ある自動車メーカーの中でも、そこまでハッキリ言い切ってるところは見たことありません。そりゃ、コンセプト的に、なんとなく若い世代をイメージさせるようなニュアンスは使っても、自ら間口狭めるようなこと、普通言わないよね。それだけ自信があるってこと?! なんて興味を喚起させるところが実にウマイ。
そのリサーチ、なんとU35世代が好む洋服や靴のブランド(たとえばナイキ、とかね)までもを把握した、っていうんだから、その本気度たるやスゴイ。
そんなバックグラウンドを持つC30、その斬新なスタイリングには見た人すべてが何らかの反応を示すことウケアイです。
フロントフェイスは何てことない、従来のボルボファミリーの「お顔」なのですが、サイドからリアに回れば、「な、なんじゃこりゃ〜〜?」とその独創性に驚きます。本当にこれがボルボ?! と疑うくらい、まるっこく仕上がってるんです。
大体広告のすべてにリアビューを採用するほどの割り切りようで、なんというか……上からべちゃっとつぶしたような、まるで笑ったブルドックのようなお顔、なんですもの。
これならかなり遠くからでも「おっ、あれはC30だ!」なんて目立っちゃうことも間違いない。
テールランプがトップにまでデザインされているので、夜間でもちゃんと目立ちます。誰かと待ち合わせしても、すぐに見つけてもらえそう。
しかし、そこまで派手なデザインにも関わらず、ボディーカラー展開はとってもシック。どちらかというと曇り空にも似合うような、中間色中心の色合いになってるんです。
派手好きな私、思わず質問しちゃいました。
「どうしてポップな色を使わなかったの?若者がターゲットなんでしょ?」
スウェーデンから来日していた広報マネージャーは、笑顔で「Nice question!」と説明してくれました。
「これもマーケティングの結果なんだよ。若い人がなに色を好むのか、どんなものが好きなのか」
ううん……。スウェーデンの若者は地味好きなの?
私なら、もっとパッキリした色がいいんだけどな……。ちょっと残念。
運転席のドアを開けると、居住空間のつくりのウマさは「さすがスカンジナビアンデザイン……」。
やんちゃなフェイスと真逆の、大人の空間が広がるところがまたいいギャップ。色使いやセンターコンソールのデザイン性の高さには、こだわりを感じます。これでもか! みたいないやらしさがないところがポイント。なんとな〜く、オシャレなの。
乗り味も、これまた「さすがボルボ!」と唸る上品さ。クセがなく、非常に乗りやすい!!
輸入車がはじめてのひとだって、ちょっと贅沢だけど初めてクルマを買う人だってすんなり、乗れちゃうんじゃないでしょうか。
しかも「安全」といえばボルボ。
衝突安全にも世界最高水準のものを、きっちり使っているんです。その安全性能たるや、大型のボルボS40と同等、というのですから、「小さい車は危ないんだよね」なんていうのも、もはや過去の判断基準となっているのです。
しかし私がなによりも感嘆を覚えたのは、
「あのお堅い、伝統を守り続けているボルボが、ここまでデザイン改革をしてまでもコンパクトカー市場に参入してきた事実」でした。
それほどまでに世界的にコンパクトカーは伸び、売れているのです。世界中で叫ばれている「エコ」も追い風となって、今、各自動車メーカーはコンパクトに目を向けなければ生き残っていけない状況にあるのでしょう。
どちらにせよ、ここまで新しい風を感じさせてくれるこのコンパクトカーの勢い。
ね、ちょっと注目したくなってきたでしょ?
筆者プロフィール
今井優杏(イマイ ユウキ)
2006年にレースクイーンを引退し、レースを通じて知ったクルマの素晴らしさを伝えたい! とモータージャーナリストに転身。また、MCとしても、モータースポーツ関連イベントを中心に幅広く活動中。
愛車はFIAT・バルケッタ(赤)。ラテンのクルマを愛する情熱系。
クルマは所有も運転もJOIA(喜び)。もっと楽しみましょう!!
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- “最高にクール”なボルボのコンパクト2ドアクーペ「Volvo C30」
ボルボ・カーズ・ジャパンは2ドアコンパクトクーペ「Volvo C30」を発売する。重厚な「VOLVO」のイメージを覆すような軽快さを持つ、“最もコンパクトで、最高にクール”なボルボ。 - 首都高最前線に潜入!! 「渋滞ゼロの10年後を目指して」
慢性的な首都高の渋滞。大動脈が動脈硬化を起こしていては、“モテ”クルマを駆っていても楽しくない。こんな現状を打開すべく現在建設中の都市内長大トンネル「中央環状新宿線」に潜入取材してきました。 - モテるコンパクトカーという選択
予算内にあるミニバンとコンパクトカー。日本で人気なのはミニバン。でもアナタの生活に、そんなに巨大な空間のクルマは、本当に必要? “キャラありコンパクトカー”の魅力を教えちゃいます。 - 新次元ハイブリッドカー「レクサスLS600h/L」体験リポート
“モテ”クルマ第1弾として前回から取り上げているレクサスの最高級フラッグシップ「レクサスLS600h/L」。ハイブリッド車のイメージを覆すパワフルさを、モータージャーナリスト・今井優杏さん自らがハンドルを握ってリポート。 - 最高級フラッグシップ「レクサスLS600h/L」の魅力(出会い編)
モータージャーナリスト・今井優杏さんによる自動車コラムの新連載がスタート。“モテ”クルマを紹介しながら、スタイルのあるオトナのオトコを提案していきます。第1回目は、レクサスの最高級フラッグシップ「レクサスLS600h/L」。