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忘れちゃいけない、タイヤの事実――プロに教わる“タイヤの安全”完結編+D Style モテるクルマの選び方(1/2 ページ)

車の安全や燃費が気になるみなさん、まずは愛車の足もとから気を配ってみて! だってタイヤの空気は少しずつ抜けるんです。レッスンの結果を見れば、違いは歴然……忘れちゃいけないタイヤの事実をリポートします。

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 長々とお伝えしてまいりましたブリヂストン「タイヤセーフティードライビングレッスン」ですが、いよいよ今回で涙の(?)完結編です。

 サンデードライバーなど普段クルマを使わない人によくありがちな「タイヤ及びクルマへの過信」からくる事故に、心を痛めていた私。先日のゴールデンウィークも、事故が何件も報告されました。そのすべてが点検不足からくるものではなかったとしても、防げる事故はあったはず。

 レジャーが楽しい季節、タイヤの摩耗による事故でせっかくの休日を無駄にしないためにも、最後までお付き合いくださいね!

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適正空気圧のフィット。フィット本来のキビキビした走りを楽しめます。白いチョークでペイントされているのが、適正空気圧のタイヤです。

 さて、午後2番目のプログラムはタイヤ空気圧の違いによる走行性能の比較です。スクールカーはホンダのフィット。タイヤはコンパクトカーや軽自動車のために開発された「Bスタイル」を装着しています。2台のスクールカーが用意され、1台は適正空気圧、もう1台は低空気圧で、パイロンスラロームと8の字を走行するのですが、驚いたことに最初の2〜3メートル走行しただけで2台の差は歴然でした。


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低空気圧フィット。黄色いチョークでペイントされています。見た目での違いは分かりにくいのですが(最近のタイヤは見た目で空気圧の低下が分かりにくくなっています)、走ると差は歴然

 何たって、車内音がぜんっぜん違うんです!

 適正空気圧の場合は、試乗会で乗った時のように静かでスムーズ、いわゆる「フツウ」の状態。なんら不足はありませんし、パイロンスラロームに侵入すれば、狙ったラインをきれいになぞれます。8の字もステアリングを一定にするだけで、快適にくるん、とコーナーをなめていけます。

 うん、楽しい。

 しかし!低空気圧車です。


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走行を終えた適正空気圧のタイヤ。白チョークがはっきり残っていますよね

 「ハイ、進めてください」とインストラクターの指示に従いアクセルを踏んだら、ああ……重い。なんだかイヤ〜な重さが足のウラに伝わってきます。踏んでもあんまり進まない。スピードをあげてみれば、今度はステアリングにまたもやイヤ〜な振動が……。それでもって、車内には何かを引きずるようなズルズル音が……きゃ〜、怪談話にはまだ時期的に早いってば! とっても気持ち悪い感覚。怖いよ〜!


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さて、注目! 走行を終えた低空気圧のタイヤです。なんとこんな肩の部分まで、チョークが消えていました。つまり、走行中にタイヤがここまでツブれたということです。ここは本来接地する面ではないため、非常にゴムが薄くなっています。傷が付いて、タイヤが走行中に破裂する危険性も!

 振動だけでなく妙に車体がぐねぐね曲がるので、8の字に進入することに不安を感じていたのですが、予想は的中! どんどんハンドルが重くなって、切り角を常に両手で調整しなければならないほど。危険というより、精神疲労度が半端じゃありません!

 しかもこれ、もし一般道でやったならば、常にステアリングが安定しないままのコーナリングのせいで、同乗者はイッキに酔ってしまうことでしょう。快適性、最悪です。

 いくら上等のタイヤを装着していても、空気圧が下がっただけでこの差です。

 そして一番怖いのは、「空気は徐々に抜けていく」ってこと。

 「この前空気圧点検したから、大丈夫!」……って、その点検、何カ月前?! 実はタイヤの空気圧は、1カ月で約5〜10%(10〜20kPa)低下します。これによって、ドライバビリティの低下は先述の通りですが、燃費の低下、さらには偏摩耗から起こるバーストの危険性だって上がってしまいます。ですからタイヤの空気圧は1カ月に1回、必ず点検しましょう! ガソリンスタンドでひとこと、「空気圧点検、お願いします!」を忘れないようにしたいものです。

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