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ミラーレスα、ソニー「NEX」を丸裸にする(前編)(2/4 ページ)

殴り込みという表現すら使ってしまいたいほど、チカラの入れ具合を感じてしまう、ソニーのミラーレスα「NEX」。前後編でじっくり見ていこう。まずは作例満載の前編から。

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NEX-3とNEX-5の基本性能

 NEX-3と5の違いはボディデザインと動画性能にある。

 ボディはNEX-3の方が「普通」。見た目も手にもった感じも優しいし、標準ズームレンズを付けたときのバランスもよく低価格だ。

 一方でNEX-5は「普通じゃない」。何しろマウントがボディからはみ出しているのだ。シャッター周りのデザインも少し異なる。

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NEX-3のグリップ部。シャッターの周りに電源スイッチがある
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NEX-5のグリップ部。シャッターはグリップ上にあり、電源スイッチは別。

 基本性能は同じ。いずれも撮像素子はAPS-Cサイズ 約1400万画素のCMOSセンサー「Exmor APS HD CMOSセンサー」を搭載している。ただ、動画機能だけ違う。

 NEX-3は720p(1280×720ピクセル)のMP4ファイルだが、NEX-5はフルHD(1920×1080ピクセル)のAVCHDと、1440×1080ピクセルで30pのMP4ファイル(ただし、1920×1080のフルHDサイズで出力される)のどちらかを選べるのだ。720pのNEX-3に対し、フルHD対応のNEX-5である。

 レンズは今のところ16ミリ F2.8の薄型単焦点レンズ(35ミリ換算だと24ミリ相当になる)「E 16mm F2.8」と18-55ミリ F3.5-5.6のズームレンズ(35みり換算だと27-82.5ミリ)「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」の2本。前者は手ブレ補正なし、後者は手ブレ補正付だ。NEX-3と5はボディ内手ブレ補正を持たないため、レンズ側に手ブレ補正が入ることになる。

 ともあれ普通じゃない濃いメッセージ性を持つカメラが好きな人はNEX-5、普通に使いたい人はNEX-3である。

「αとサイバーショットの中間」感覚

 では使ってみる。NEX-3や5の操作系は非常にシンプルで、コンパクトデジカメ「サイバーショット」よりボタンの数は少ないほど。再生ボタンを除くと、3つのボタンと、ホイール兼用の方向キーしかない。さらに、一番下のボタンは普段「撮影ガイド」に割り当てられており、撮影入門書的に使う。

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NEX-5の背面。NEX-3も同様でコンパクトデジカメ以上にシンプル
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「撮影アドバイス」は写真入りの写真入門となっている。

 操作系を見る限り、NEX-3と5のターゲットは「コンパクトデジカメ感覚で一眼画質を楽しみたい人」だ。だから操作系は、αというよりサイバーショットである。

 細かいところは撮りながら見ていこう。

 NEXの基本モードは「iAUTO」(おまかせオート)。シーン自動認識オートだ。完全にカメラ任せで、フォーカスもマルチAFとなる。微妙なAF位置のコントロールはできないが、プリAFが動作することもあり、AF自体は快適で高速。ストレスはたまらない。

 液晶モニタがチルトする上にこの液晶パネルはなかなか見やすいので、とても撮りやすい。お腹のあたりに構えて親指でシャッターを押すのも悪くない。このモードはフルオートだが、「背景ぼかし」はコントロールできる。これはなかなか面白い。

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中央のキーを押すとダイヤルが背景ぼかしモードになる。ダイヤルでボケ具合(=絞り値)をセット。

 要するにISO感度が連動したプログラムシフトだが、コンパクトデジカメから移行する人が最初に感動するのは、背景がきれいにボケることだと思うので、そこを狙ったのは面白い。結果はこうなる。

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E 18-55mmの望遠端で朝顔を撮影。背景ぼかしで絞り開放に
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同じ条件でめいっぱい絞り込んでみた。結果として、F32まで絞られ、ISO1000に感度を上げてシャッタースピードを維持したようだ。違いは一目瞭然(りょうぜん)

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