HD動画は実用レベルか?――ドコモ「F-06B」「N-04B」「SH-07B」で撮り比べ:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(4/4 ページ)
ドコモの夏モデル「F-06B」「N-04B」「SH-07B」は12Mピクセル以上の静止画を撮影できるほか、1280×720ピクセルのHD動画撮影に対応しているのが大きな特徴だ(F-06BとSH-07BはフルHD動画も撮影可能)。今回は静止画とHD動画のクオリティを検証した。
さくさく使うのならN-04Bがお勧め
ケータイのカメラでは、撮りたいときすぐ起動できることと、保存に何秒も待たず、すぐ次が撮れることがとても重要になる。公平を期すために、すべてソフトキーに割り当てられているカメラキーを押すという条件で起動時間を測ってみた。
その結果、Fは2.5秒。SHは約4秒。Nは1.7秒だった。
どれも状況によって起動速度は変わってくるが、総じてNは超高速。「瞬撮」というだけのことはある。SHはちょっと待たされる感じだ。
保存にかかる時間は、自動保存をオンにして次の撮影が可能になるまでの間隔を測ったところ、Fは約4秒、SHは約5.5秒、Nは5秒という結果。保存に関しては、画素数がどんどん増えているにもかかわらず、待ち時間はぐっと減った。
その上、Nは「クイックショット」モードにするとさらにすごい。シーンモードは使えなくなるが、撮影後即座に保存処理がバックグラウンドに引っ込むので、次の撮影まで約1.6秒。本職デジカメと変わらない感覚でさくさくと使える。
したがって、さくさくと使いたいならNである。シーンモードなんて使えなくても構わないじゃないか。悠長にシーンモードを選んだり細かい設定をする時間があるのなら、通常の撮影モードで何枚も撮った方がいいときもあるだろう。
ちなみに、SHもNもディスプレイを反転させると自動的にカメラが起動する設定が可能だ。その場合も、Nは2秒台、SHは5秒くらいで起動し、Nの速さが目立った。Fは側面のカメラキーの長押しでカメラが起動するが、長押しが必要な分、6秒台とやや長い。
次に使い勝手について。NもFもSHもタッチパネルで操作できるが、その使い勝手はどれも微妙。その中でもシンプルなのはN。特に右側にシャッター、AFロック、AFモードと並んでいるのがいい。シャッターアイコンの近くにまったく関係ない機能があると、誤って隣に触れて誤動作させたときのダメージが大きいからだ。なお、NとSHはシャッターアイコンをタッチした指が離れたときにシャッターが切れる。だからタイミングを見計らうときは、まずアイコンをタッチし、ここだというときに離すべし。
タッチパネルならではの、触ったところにピントが合うタッチAFはどの機種も装備している。これは便利だ。
これからどんどんHD動画モデルは増えるはず
各モデルともカメラを利用した面白い機能がたくさんある一方で、操作方法にツッコミたいところは多数あるが、今回は基本画質とHD動画に焦点を当てた。HD動画は今後どんどん主流になる。そのままテレビに映してもいいし、ネットで公開してもいい。
ただ、今はフルHDに挑むより、まず720p(1280×720ピクセル)で滑らかできれいな映像を記録した方がみんなが幸せになれるんじゃなかろうか。
もう1つ、どのモデルも静止画モードと動画モードがはっきり分かれている。当たり前といえば当たり前なのだが、瞬時に切り替え、というわけにはいかないので、動画モード時に静止画用シャッターボタンを装備して、動画モードでもそれを押せば静止画(HDサイズで構わないので)を撮れるようにした方が便利だと思う。
ともあれ、HD動画は魅力的。HDビデオカメラや一部のHD動画対応デジカメには勝てないが、ある程度明るい場所であれば、日常の動画スナップを撮るにはとてもよい。
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