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非デジタルに表現の拡大を求めた侍――京セラ「CONTAX SL300R T*」:矢野渉の「クラシック・デジカメで遊ぶ」(2/2 ページ)
CONTAXはフィルム時代にこそ独特の存在感を誇示していたが、デジタルへの転換期には苦戦を強いられた。その中で登場したのが「CONTAX SL300R T*」である。
ありえない色の空を撮ろう
何も考えず、普通にこのカメラで写真を撮り続けていた僕は、だんだんとSL300Rの「クセ」が分かってきた。こいつは、完全にノーマル設定で撮影していると、色が薄い。かと言って彩度設定を「+」にすると、リキテックスで塗ったようなビビッドな発色になる。その両方を駆使すれば、ほかではできない写真がつくれるのだ。これに、PLフィルターの効果とワイコンを加えれば、さらに世界は広がるだろう。
被写体は「雲」が最適だと思った。目に見えているのとは違う色の空が造れる。
いろいろな意味で最後までがんばったCONTAX、僕は好きです。
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