夏フェスや海山 持っていきたい「アウトドアデジカメ」の選び方(2/2 ページ)
音楽フェスに海水浴など、さまざまな夏のレジャーにカメラを持っていきたいが壊れるのは困る。そんなとき、頼りになるのが「アウトドアデジカメ」とも呼べる製品群だ。その選び方を考える。
カメラ性能を知る
タフネス性能については自身の想定する利用シーンから、自分にあった製品を導き出せるはずだが、タフネスさが同等レベルの製品が複数あった場合、何を基準に選ぶべきだろう。そのひとつはスタイリングだろう。いかにもアウトドアグッズのような「Optio WG-2/WG-2 GPS」や「PowerShot D20」もあれば、一見したところタフネスデジカメには見えない「DSC-TX20」「DSC-TX300V」「RICOH PX」のような製品もある。
傾向としては、アウトドアグッズ的な外観やカラーリングを採用しているモデルはイメージ通りのタフネス性能を持ち、一見したところ普通のデジカメに見える製品はそれらアウトドア指向のモデルに比べると控えめな性能となっている(腕時計の防水時計と生活防水をイメージすると近いかもしれない)。
カメラとしての機能/性能面も忘れずにチェックしておきたい。
レンズについては耐衝撃性能を確保するために高倍率ズームレンズの搭載が難しく、光学ズーム倍率は5倍程度のモデルが多い。焦点距離の設定もEXILIM G EX-G1を除くと似通ったものが多い中、F値に目をやるとOLYMPUS Toguh TG-1のワイド端F2.0というスペックが目を引く。夜間の屋外はもちろん、水中では光量が不足するためにシャッタースピードを稼ぐことが難しくなるケースが多くなるが、レンズの明るさがそうした状況をフォローしてくれる。レンズスペックも製品選択の際には注意しておきたいところである。
撮像素子については高感度撮影に強い裏面照射型CMOSセンサーの採用が一般的となったが、カジュアル指向の強いモデルあるいは普及価格帯のモデルについてはCCDを搭載するものもある。光量の確保できない夜間や水中での撮影機会が多いならば、裏面照射型CMOSセンサー搭載機の優先順位を上げた方が良好な結果を得られるとも考えられるが、高感度撮影に関しては画像処理エンジンによる部分も大きいので、詳細については製品レビュー記事を参照されたい。
モデル名称 | レンズ(35ミリ換算) | 撮像素子 | GPS |
---|---|---|---|
OLYMPUS Toguh TG-1 | 25〜100ミリ F2.0-F4.9 | 1/2.3型 1200万画素 裏面照射型CMOS | ○ |
OLYMPUS Toguh TG-820 | 28〜140ミリ F3.9-5.9 | 1/2.3型 1200万画素 裏面照射型CMOS | ―― |
OLYMPUS Toguh TG-620 | 28〜140ミリ F3.9-5.9 | 1/2.3型 1200万画素 裏面照射型CMOS | ―― |
OLYMPUS Toguh TG-320 | 28〜102ミリ F3.5-5.1 | 1/2.3型 1400万画素 CCD | ―― |
DSC-TX300V | 26〜130ミリ F3.5-4.8 | 1/2.3型 1820万画素 裏面照射型CMOS | ○ |
DSC-TX20 | 25〜100ミリ F3.5-4.6 | 1/2.3型 1620万画素 裏面照射型CMOS | ―― |
COOLPIX AW100 | 28〜140ミリ F3.9-4.8 | 1/2.3型 1600万画素 CMOS | ○ |
COOLPIX S30 | 29.1〜87.3ミリ F3.3-5.9 | 1/3型 1010万画素 CCD | ○ |
PowerShot D20 | 28〜140ミリ F3.9-4.8 | 1/2.3型 1210万画素 裏面照射型CMOS | ○ |
FinePix XP150 | 28〜150ミリ F3.9-4.9 | 1/2.3型 1440万画素 CMOS | ○ |
FinePix XP50 | 28〜150ミリ F3.9-4.9 | 1/2.3型 1440万画素 CMOS | ○ |
DMC-FT4 | 28〜128ミリ F3.3-5.9 | 1/2.33型 1210万画素 ハイスピードCCD | ○ |
RICOH PX | 28〜140ミリ F3.9-5.4 | 1/2.3型 1600万画素 CCD | ○ |
Optio WG-2/WG-2 GPS | 28〜140ミリ F3.5-5.5 | 1/2.3型 1600万画素 CMOS | △(WG-2 GPSのみ) |
EXILIM G EX-G1 | 38〜114ミリ F3.9-5.4 | 1/2.3型 1210万画素 CCD | ―― |
タフネスモデルの中で搭載/非搭載の分かれるのが、撮影画像に位置情報を付加できるGPSだ。こうしたモデルには位置情報付き画像ファイルをインポートすることで地図に写真をオーバーレイ表示させるソフトが付属しているため、撮影後の楽しみが広がる。また、ランドマーク情報を内蔵することで撮影時に地名や施設を表示しながら撮影できるモデルやカメラの起動をすることなく電子コンパスの利用ができるモデルもあり、カメラの携行自体に付加価値を持たせる取り組みといえる。
もうひとつのタフネス
ここまでは「デジカメ」カテゴリの製品を紹介してきたが、映像記録を主とするビデオカメラのカテゴリに属する製品にも、タフネス性能を備えたモデルがある。防水ビデオカメラといえば「Xacti」ブランドが有名だったが、製造元の三洋電機がパナソニックの子会社となったことからブランドは消滅、現在は「HX」シリーズとして展開されている(現在販売されている防水タイプの製品は「HX-WA20」「HX-WA10」)。
「ハンディカム」ブランドを有するソニーも防水タイプの「HDR-GW77V」を今春に投入しているほか(ハンディカムブランドとして防水モデルは本製品が初だそうだ)、JVCケンウッドはゴーグルやヘルメットに装着できるウェアラブルタイプの“ADIXXION”「GC-XA1」を7月末に販売開始する。
いずれもデジカメではなく、ビデオカメラ(カムコーダ)に属するが、場所や天候にかかわらず記録できるという意味ではタフネスデジカメに通じるものがある。動画メインで夏のレジャーを記録したいという要望には応えてくれる製品だ。
→「DSC-TX300V」をソニーストアでチェックする
撮った写真をスマートフォンで共有できる高性能防水スリム。価格は4万9980円(税込/7月5日現在)
→「DSC-TX300V」をソニーストアでチェックする
防水・耐衝撃性能を備えたタフネススリム。価格は3万2981円(税込/7月5日現在)
関連記事
- F2.0レンズ&GPSを搭載したタフネス最上位モデル――オリンパス「TG-1」
オリンパス「OLYMPUS Tough TG-1」は、シリーズの最上位に位置するタフネスデジカメ。水深12メートルの防水性能や2メートルの耐衝撃性能に加え、GPSや電子コンパス機能を搭載。そのレビューをお伝えしよう。 - 未来からやってきた2012年型の快適全部入り――サイバーショット「DSC-TX300V」 (1/4)
ほとんどのシーンはオートでOKだし、ワイヤレスで充電やPCへの転送もOK。加えてGPSも搭載して防水と、全部入りなサイバーショット「DSC-TX300V」。とにかく使って快適なのがすばらしい。 - ツボを押さえたタフネス系GPSデジカメ――ニコン「COOLPIX AW100」
いち早く搭載製品を投入したものの後が続かなかったニコンのGPSデジカメ。2011年に登場した「COOLPIX AW100」は後発だけあって、かなりツボを抑えた作りで、アウトドアデジカメが欲しい人、GPSデジカメが欲しい人にはかなり気になる製品だ。 - “子どもと遊べる”楽しい防水カメラ 「COOLPIX S30」
タフネス系デジカメの種類も増えたけれど、その丈夫さを生かして「子どもが使える」「子どもと遊べる」カメラにしたのがニコンの「COOLPIX S30」だ。 - 日常を常に記録する、カジュアルなタフネスデジカメ「RICOH PX」
リコー「RICOH PX」はシンプルなフラットボディに、屈曲式の光学5倍ズームレンズを搭載したコンパクトデジカメ。一見するとごく普通の製品に見えるが、防水・防じん・耐衝撃を兼ね備え、場所を選ばず利用できる実用的なモデルである点も注目だ。 - タフネスモデルにも裏面照射型CMOSセンサーとTruePic VI 「iHS」搭載の「OLYMPUS Tough TG-820」「OLYMPUS Tough TG-620」
オリンパスがタフネスデジカメの新製品「OLYMPUS Tough TG-820」「OLYMPUS Tough TG-620」を発売する。新たに裏面照射型CMOSセンサーと画像処理エンジン「TruePic VI」を組み合わせた「iHS」テクノロジーを搭載した。 - タフネス性能に普段使いが楽しい撮影機能 オリンパス「OLYMPUS Tough TG-320」
タフネスデジカメ“Tough”シリーズに「OLYMPUS Tough TG-320」が追加された。カジュアルなデザインのボディには、高いタフネス性能と普段使いで楽しめる撮影機能を多く搭載した。 - タッチパネルで操作性を高めたスリム防水 「DSC-TX20」
ソニーが“サイバーショット”の新製品として防水性能を備えた「DSC-TX20」を発売する。タッチパネルの導入で操作性を高めた。 - 防水デジカメ「PENTAX Optio WG-2」にカラバリ「シャイニーブルー」追加
ペンタックスが防水デジカメ「PENTAX Optio WG-2」にカラーバリエーションモデル「シャイニーブルー」を追加した。 - レジャーに最適なタフネスモデル 「FinePix XP50」
富士フイルムが「5メートル防水」「1.5メートル耐衝撃性能」など4つのタフネス性能をコンパクトなボディに搭載したタフネスデジカメ「FinePix XP50」を発売する。 - タフネス性能アップ、ダブルロックでトラブル防止 「FinePix XP150」
富士フイルムがタフネス性能を備えたデジタルカメラ「FinePix XP150」を発売する。既存モデルより防水/対衝撃性能を高め、フルHD動画撮影機能も備えた。 - 動画機能強化、情報豊富なタフネスデジカメ「DMC-FT4」
パナソニックは耐水・防じん・耐衝撃・耐低温構造を備えたタフネスデジカメ「DMC-FT4」を発売する。豊富なセンサーは既存モデルを踏襲し、MP4/フルHDなど動画関連機能を強化した。 - 永山昌克インタビュー連載:大都会にも大自然にも似合う“男のカメラ”――「EXILIM G EX-G1」開発者に聞く
女子向けカメラはもうたくさん。男子にこそ使って欲しい、と開発者が語るのはカシオの耐衝撃デジカメ「EXILIM G EX-G1」。G-SHOCKに通じる堅牢性と、アシンメトリーな個性派デザインが光るカメラだ。 - パナソニック、防水モデル「HX-WA20」などグリップスタイルビデオ3モデル
パナソニックは、グリップスタイルのデジタルビデオカメラ「HX-WA20」「HX-WA2」「HX-DC2」を発売する。HX-WA20/WA2は防水タイプで、WA20は裏面照射型センサーを搭載する。 - 水没しても落としても、気づかい無用の“お手軽系”ハンディカム「HDR-GW77V」
防水性能を備えたタフネスカメラというと、雰囲気からしてそれっぽいものが多いけど、これは違う。ハンディカム「HDR-GW77V」は小さくてタフでさりげない“お手軽系”なのだ。 - スマホ連携、タフなウェアラブルビデオ“ADIXXION”「GC-XA1」
JVCケンウッドはヘルメットやゴーグルに装着して利用できる、防水や耐衝撃性能を備えたウェアラブルタイプのビデオカメラ“ADIXXION”「GC-XA1」を7月下旬より販売開始する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.