超望遠1000ミリの光学42倍ズーム機――ニコン「COOLPIX P510」(1/3 ページ)
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デジタル一眼レフカメラのような外観をもつ高倍率ズーム機、いわゆるネオ一眼と呼ばれるジャンルは爆発的な人気こそないものの、各社が製品を用意していることから一定のニーズがあることが伺える。今回取り上げるニコン「COOLPIX P510」は、COOLPIXシリーズではハイエンドシリーズにあたる「Performance」(P)ラインに属するネオ一眼となる。
まずは簡単にスペックをおさらいしておこう。撮像素子は1/2.3型 有効1610万画素裏面照射型CMOSセンサーで、サイズや画素数などについては「COOLPIX P310」(レビュー)と同じ仕様だ。レンズは35ミリ換算24~1000ミリ(F3-5.9)の光学42倍ズームレンズを搭載し、広角から超望遠を1台でカバーできる点が強みとなっている。
ボディサイズは、119.8(幅)×82.9(高さ)×102.2(奥行き)ミリ、約555グラム。数字ではピンとこないかも知れないが、エントリークラスデジタル一眼レフと同等に考えればいいだろう。1000ミリの超望遠レンズを搭載しながらこのサイズなので、荷物を減らしたいトレッキングなどにはもってこいのカメラと言えよう。
大きく握りやすいグリップにはラバーが貼られており手にはすんなりとなじみ、ホールディング性も良好。屋外や超望遠撮影時に役立つEVFが搭載されているが、ドットが市松模様となって構成されるペンタイル式の表示で、解像感はあまり良くない。スペックシートを見ても表示画素数は「約20万ピクセル相当」とあり、背面液晶モニターの約92万ピクセルに比較すると精細さに欠けるのが残念だ。
超望遠1000ミリを光学ズームレンズで実現
前機種である「COOLPIX P500」は35ミリ換算22.5~810ミリの光学36倍ズームだったが、P510は超望遠1000ミリまでを光学レンズで撮影可能とした点が大きな変更点となっている。ただし、P500は4倍までのデジタルズームが可能となっており望遠撮影時には約3240ミリ相当の撮影を可能としていたが、P510のデジタルズームは2倍までとなり約2000ミリ相当となった。単純にスペックだけで比較するとダウングレードされた感があるが、画素数のアップなどもありある程度はトリミングで対応できるとも言える。
実際にズーム操作をしながら24ミリから1000ミリの変化を液晶モニターで確認してみると、「これ1台でここまで撮れるのか」という驚くべきズームレンジの広さに、思わずニヤリとしてしまう。ぐぐっとズームアップして遙か遠景を大きく写し出すことはもちろんだが、超望遠レンズによる圧縮効果が独特の距離感を醸し出していて実に面白い。これ1台で、広角独特のパースの付いた写真と、遠くを引き寄せたような圧縮効果を狙った写真と、まさに両極端の写真表現が楽しめるのは良い。
手ブレ補正は光学式のレンズシフト方式の「VR」になったことで望遠撮影時の像がピタッと止まるようになった。P500の望遠撮影時に感じた像が安定しないためフレーミングの不自由さや、オートフォーカスの精度の不安が解消され使いやすくなっている。
手ブレ補正の効きが良いのでコントラスト検知のアシストになるのではないかとオートフォーカスの高速動作にも期待したのだが、これはそれほど速くはなっていなかった。空気の層などが関係してコントラストが極端に低くなるような超望遠撮影時は合焦に体感で2~3秒ほどかかり、激しく動く被写体の撮影には厳しいと感じた。AF動作を「風景」に切り替える事で、若干の速度向上はあるものの劇的な高速化とは感じられなかった。
デジタルズームでは最大約2000ミリの撮影が可能となり、ズーミングに合わせて光学ズームからデジタルズームへシームレスに像を拡大して表示してくれて便利なのだが、2000ミリともなると画角が極端に狭くなり、さらに手ブレでフレーミングするのが難しかったり、被写体を見失ってしまうことが多々あった。デジタルズームには拡大ではなく、トリミング枠を表示するようなモードがあると便利なのではないかと思った。
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