「AI社員」活用、NECは無人部署・DeNAには17体 南場社長「けなげ」と太鼓判
IT大手が人工知能(AI)に一般社員と同じ権限を付与して業務を任せる「AI社員」の活用に乗り出している。NECは8月にAIだけで運営する無人部署を新設。DeNAも6月からAI社員を配属した。AIによる効率化で、社員を付加価値の高い業務に配置転換するとともに、実績を基にAI社員のサービス展開を視野に入れる。
ストレスチェックや上司と面談も
「AIを使いこなせば、新しい仕事がどんどん生まれてくる」。NECの小玉浩執行役は9日に開催した説明会で、AI社員への手応えを語った。
NECが新設したAI部署は、「部門長」や「マネジャー」といった管理職、一般社員など異なる立場のAIで構成する。財務レポートの作成やニュースの調査、会議の事務局運営など必要な業務ごとに“新入社員”が生成される。部署の立ち上げ時は17体だったAI社員は現在、36体にまで増員した。
AI社員は業務マニュアルだけでなく、企業理念や行動規範なども学習し、NECの一社員として振る舞う。全体を統括する部門長の「全体統(ぜんたい・おさむ)」を筆頭に、各社員は役割に応じた名前が付けられ、部署の事業状況を分析し、営業方針の立案支援などを行う。
さらに、人間の社員と同じようにストレスチェックを受け、AI上司との面談を通じて課題を洗い出すのだという。人間並のサポートを通じ、自律的に業務を効率化させていくビジョンを描く。
人間は高付加価値の業務へ
DeNAでも6月、会計システムの開発・保守や品質管理を担う部署などに17体のAI社員を配属した。同僚からの依頼に対応したり、一日の終わりに日報を記録したりもする。
南場智子社長は「グループチャットの会話を聞いて『それ私できます』とかいって仕事を請け負ってくれたりして、なかなかけなげ」と太鼓判を押す。
法人向けAIサービスのスタートアップ(新興企業)のホワイト(横浜市)は3月、経理や法務、営業など6分野に対応したAI社員が業務を代行するサービスを開始した。
多くの企業がAI社員に商機を見いだしているが、一方でAI社員活用が進むと、人間の社員には付加価値の高い業務が要求され、新卒採用や人材教育が大きく変わる可能性もある。新入社員にも即戦力を求める傾向が強まりそうだが、NECの小玉氏は「若い世代ほどAIに慣れている。むしろチャンスは広がる」と期待を寄せる。(高木克聡)
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