第10回 明るい単焦点レンズで撮る動物ポートレート――オリンパス「ED 75mm F1.8」:デジタル一眼レンズの楽しみ(2/2 ページ)
動物園は被写体の宝庫。動物好きの人なら、丸一日いても飽きずに撮影を楽しめるはず。今回はオリンパスの明るい中望遠レンズを使って、癒やし系動物たちのゆるくて可愛い表情を狙ってみました。
被写界深度の浅さを利用してオリを目立たなくする
続いて、北海道稚内市にある日本最北端の水族館、ノシャップ寒流水族館を訪れました。ここは、地方ならではの素朴な雰囲気と、最果ての地ゆえの郷愁感が漂う、こぢんまりとした水族館です。建物は少々古めかしい年代物ですが、生き物たちの見応えは十分。アザラシやペンギンを間近で見られるほか、フウセンウオやイトウ、クリオネといった北の海ならではの珍魚をじっくりと観察できます。
次のカットは、北海道幌延町にあるトナカイ観光牧場で撮影したもの。文字通りトナカイが主役の牧場ですが、ゆるカワ系動物の代表格ヤギやコブタの姿も見られます。写真はヤギの万次郎。低い位置にカメラを構え、くるっとカールした角と仙人のような立派なあごひげに注目してみました。
さらに東京にもどり、おなじみのスポット恩賜上野動物園を訪れました。約500種という国内最多クラスの飼育動物数を誇り、パンダ、オカピ、コビトカバという世界三珍獣のすべてを見られる場所は、国内ではここだけです。今回の目当ては、珍獣ではなく珍鳥。「動かない鳥」として人気を集めるハシビロコウです。
下の写真は、約3.5メートルの距離で撮影したもの。背景が暗くなるカメラアングルから狙うことで、ハシビロコウの特長である巨大なクチバシと、まるで寝癖が付いたような独特のヘアスタイルを際立たせました。
次の写真は上から順にノスリ、ミーアキャット、フラミンゴ、ハシビロコウです。いずれも絞りは開放値のF1.8を選択。前述したように、被写界深度が浅いとピンぼけの危険性が高くなりますが、動物園のオリや柵がボケて気にならなくなるという意味では好都合です。ピントを合わせた部分はシャープに解像し、立体感のある写真に仕上がりました。
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