フルサイズ新時代にむけ準備万端、m4/3向けも着々と――タムロン:photokina 2012
フルサイズ向けレンズの刷新が進むタムロン。フルサイズ対応90ミリマクロとクラス最小望遠ズームの仕上がりも順調で、「オリジナリティで勝負する」との自負を見せる。
photokinaのタムロンブースでは、高倍率ズームレンズ「18-270mm F3.5-6.3 Di II VC PZD (Model B008)」を大きくアピールしているほか各種マクロレンズを使ってのマクロ撮影体験コーナー、各社カメラボディを取りそろえての交換レンズ体験カウンターなどを用意していた。
6月に35ミリフルサイズ対応の大口径標準ズームでは世界初(同社)となる手ブレ補正機構を搭載した「SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD(Model A007)」、そして9月のphotokina開催に合わせて手ブレ補正と超音波モーターを搭載した、35ミリフルサイズ対応のマクロレンズ「SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(Model F004)」と「手ブレ補正と超音波モーター搭載の、35ミリフルサイズ対応大口径ズームレンズでは世界最小クラス」となる望遠ズームレンズ「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD(Model A009)」を発表した同社だが、ブースには後者2本も用意されており、販売開始に向けての調整が順調であることを伺わせた。
キヤノン「EOS 6D」、ニコン「D600」と低価格帯フルサイズ機の発表が相次ぎ、年末に向けてフルサイズ市場の活性化が予測される中、同社は標準ズーム、マクロ、望遠ズームの3ジャンルで対応レンズをリリースする格好となる。むろんこれまでにも同様の製品は存在していたが、超音波モーターや手ブレ補正など最新技術を投入することで、性能向上の著しいフルサイズセンサー機に対応していく考えだ。
年末商戦向けの新製品としてはこれらフルサイズ向けが耳目を集めることになるが、ミドル〜エントリーのカメラボディに対する取り組みも行っていく。マイクロフォーサーズ規格への賛同も発表しているが、こちらについては来春の製品発表となりそうだという。
また、レンズ交換式カメラの普及に伴い伸長する交換レンズ市場への取り組みについては、「常にオリジナリティを追求していく」(同社執行役員 マーケティング・コミュニケーション室 室長 千代田路子氏)スタンスで望む。
「低価格製品への需要は常にあり、加えて、製品にオリジナリティを持たせることで勝負していきたい。フルサイズ用レンズについても、できるだけ安価でという思いがある。低価格ということからクオリティを問う声があるのは事実だが、性能・パフォーマンスでは負けないという自負があります」(千代田氏)
国内における交換レンズのライバルメーカーであるシグマは、「Contemporary」「Art」「Sports」のコンセプトを打ち出した。小型万能タイプのContemporary、アーティスティック指向のArt、スポーツ撮影用のSportsと用途別の製品提案を分かりやすく行うことから、「交換レンズは数字や記号が並ぶだけで分かりにくい」という交換レンズ初心者にも訴求するものと思われる。
千代田氏はこの取り組みについて「素晴らしい」と賛辞を送りながら、レンズの性能ととコストパフォーマンスには負けないという自負ものぞかせる。年末に向けてまずはフルサイズ機と対応レンズが注目を集めることになるだろうが、その次にはミラーレスを含むミドル〜エントリー機と対応レンズが市場をにぎやかにしていくこととなる。「オリジナリティで勝負する」という同社の動向に注目だ。
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