X-E2はXシリーズの決定版 ―― 富士フイルム新FUJIFILM Xシリーズ発表会
富士フイルムがFUJIFILM Xシリーズの新製品として、レンズ交換式の「X-E2」「X-A1」、それにコンパクト「 XQ1」を発表した。X-E2は外観の変化こそ乏しいが「シリーズ決定版」というモデルだ。
富士フイルムは10月18日、FUJIFILM Xシリーズの新製品としてレンズ交換式の「FUJIFILM X-E2」と「FUJIFILM X-A1」、レンズ一体型コンパクト「FUJIFILM XQ1」を発表した。
同社「FUJIFILM Xシリーズ」には、これまでにもレンズ交換式のフラグシップ「X-Pro1」を始め、シリーズ先駆となったレンズ一体型「X100」の第二世代機「X100S」、光学ファインダーを搭載したクラシカルな「X20」、26倍ズームレンズを搭載した「X-S1」などさまざまなタイプが投入されている。
ではXシリーズとはなにか。「画質と機動性を両立したカメラである」と同社取締役執行役員 光学・電子映像事業部長の田中弘志氏は総括する。最上位機のX-Pro1でもセンサーサイズはAPS-Cサイズとなるが、フルサイズに匹敵する画質を実現しており、そこに軽さや静音性、操作の簡便性など総合的な機動力をプラスしたことで、Xシリーズとしての優位性を確保するという。
その田中氏が「現時点、Xシリーズの決定版」として紹介するのが、「FUJIFILM X-E2」だ。
一見したところ外観は既存「FUJIFILM X-E1」と大きく変わらないが、センサーは「X-Trans CMOS」から像面位相差AF可能な「X-Trans CMOS II」となり、「世界最速」(同社)という最高0.08秒の高速AFを実現、同時に暗所での合焦時間も短縮した。像面位相差/コントラストのAF方式切り替えはカメラ任せの自動となるが、既存XFレンズとの組み合わせすべてにおいて高速化が図られており、特に「XF14mmF2.8 R」装着時には、X-E1比で約75%の合焦時間短縮に成功したという。
画像処理エンジンも「EXRプロセッサーPro」から「EXR プロセッサー II」へと強化され、起動時間0.5秒、シャッタータイムラグ0.05 秒、撮影間隔0.5秒と動作の高速化も図られた。加えて新センサーと新エンジンによりS/Nと解像感においては「フルサイズに迫る画質」(同社)を実現したという。ただ、同社がチャートで計測できるパラメータ以上に訴求するのは、“キレ”や“ボケ”“立体感”といった言葉で表現される写真としての質感。それに、記録色ではなく記憶色という色のニュアンスだ。
E1とE2の外観上の目に付く違いは肩に入ったロゴぐらいだが、細かなところでは露出補正ダイヤルの調整可能量を±2から±3へと拡大されたほか、シャッタースピードダイヤルの「オート」と「1/4000」の間隔を詰めるなどの改良が行われており、その数は60カ所以上に登るという。
「FUJIFILM X-A1」はXマウントのエントリーモデルとして投入される製品で、既存「X-M1」とほぼ変わらぬ小型ボディに有効1630万画素 APS-Cサイズ(23.6×15.6ミリ)センサーを搭載する。X-Trans CMOSではなく一般的なベイヤー配列センサーであり、XFレンズなど高い解像感を発揮するレンズを活用したい際には、X-M1などX-Trans CMOS搭載機との組み合わせを推奨します(説明員)とのことだ。
レンズ一体型コンパクトデジカメ「FUJIFILM XQ1」は有効1200万画素 2/3型 X-Trans CMOS II」センサーに、35ミリ換算25〜100ミリ(F1.8-F4.9)の明るいズームレンズを組み合わせた製品。点像復元機能も搭載しており、いわばX20のセンサーとエンジンに、XF1のレンズを組み合わせ、小型化を図ったモデルといえる。サイズは100(幅)×58.5(高さ)×33.3(奥行き)ミリと2/3型センサー搭載機としては非常にコンパクトだ。
田中事業部長はデジカメ市況に関して、レンズ一体型/レンズ交換式問わずその状況は楽観できるものではないとの見解を示しながらも、Xシリーズについてはレンズ一体型/レンズ交換式のいずれも2013年上期は耐前年を大きく上回る出荷台数を記録したと順調な成長であるとした。
同社はスマートフォン用カメラモジュールも手がけることからスマートフォン(のカメラ機能)についても相当の見識を有しており、「コンパクトデジカメの縮小とレンズ交換式へのシフトは避けられないだろう」(田中氏)という。ただ、高級路線や高い光学技術が必要となるハイズーム、防水カメラなど、スマホが代替できない領域についてはコンパクトタイプの製品も続けていくとした。
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