レビュー
「OLYMPUS OM-D E-M1」第2回――600ミリ相当の超望遠で切り取る秋景色:長期試用リポート(2/2 ページ)
大型グリップを搭載した「OM-D E-M1」は、大きなレンズを装着しても十分なホールド性を保てることが利点のひとつ。今回は、焦点距離600ミリ相当の望遠ズームを使って秋の景色を撮ってみた。
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色彩と陰影を意識しながら風景を切り取る
最短の撮影距離は、焦点距離75ミリの場合に0.9メートルで、それ以外の焦点距離では1.5メートルとなる。特に接写に強いというほどではないが、離れた位置にある紅葉をクローズアップでとらえるには十分だ。
写りは、300ミリまでズームアップすると解像感がやや低下するが、焦点距離75〜200ミリくらいまでは画面全域でシャープな描写となる。歪曲や周辺減光、色収差は目立たないように低減されている。トータルとしても十分満足できる描写性能だ。
開放F値が暗いため、日が暮れてからはこのレンズが活躍するシーンは少なくなる。もちろん無理して使う理由はないので、暗所では標準ズームや明るい単焦点レンズに切り替えればいいだろう。
使用範囲は屋外に限られるが、それでも圧倒的な焦点距離の長さとズーム倍率の高さは、撮影の自由度を広げる大きな魅力だ。普通に撮るだけで引き締まった構図が得られるので、自分の撮影の腕が上がったような錯覚にさえ陥る。
なお、製品名に「II」とあることから分かるように、このレンズは今年3月にマイナーチェンジを行っている。主な改良点は、デザインをシンプル化したことと、質量を7グラム軽量化したこと。そして価格はいっそうお手ごろになっている。E-M1ユーザーなら是非手に入れたいレンズのひとつである。
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