NRI、電子書籍コンテンツの市場規模を2015年で2400億円と予測

野村総合研究所の予測によると、国内の電子書籍市場はハード、コンテンツともに高い成長率で推移し、2015年末には2400億円規模のコンテンツ市場を形成するという。

» 2010年12月21日 16時03分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

2015年末には1400万台の端末が出荷され、コンテンツの市場は約5800億円に

 野村総合研究所(NRI)は12月20日、2015年度までの国内を中心とするIT主要5市場の分析と規模予測について予測結果を発表した。17日にはブロードバンド関連サービス市場と放送メディア市場について予測結果を発表しているが、この日はネットビジネス市場(6分野)、モバイル市場(4分野)、ハード市場(8分野)についての予測結果を発表している。

市場規模予測 市場規模予測。電子書籍端末の予測は各年の「単年」市場ではなく、各年末時点の「累積」販売台数(出典:NRI)

 このレポートの中では、電子書籍市場についても触れられている。2010年に日本国内でも市場が立ち上がった電子書籍の端末市場は、2010年度末までの累計販売台数が78万台であるのに対し、2011年度末には約3.8倍の280万台に、2015年末には1400万台の規模になると予測している。

 一方、電子書籍のコンテンツ市場も順調に増加し、2010年度の850億円市場が、約23%のCAGR(年平均成長率)で成長を続け、2015年度には2400億円に達する見込みであるとしている。このコンテンツ市場のCAGRはレポート内で触れられているほかの市場の成長率を大きく引き離している(次点はサービスロボットの市場でCAGR21%だが、2015年度における同市場の規模は182億円程度)。ちなみに、矢野経済研究所は、同市場の規模は2010年度で670億円と予測している。

 ちなみに、電子書籍の配信とよく比較される音楽配信の市場予測についても触れられている。同市場は、2010年度で約644億円の規模であり、それが2015年度には1020億円(CAGRは9.6%)に達すると予測している。電子書籍のコンテンツ市場と比べると、現時点でも、成長率も、そして2015年度の市場規模でも大きく水をあけられているといえる。

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