化学好き必携の電子辞書アプリ「デジタル化学辞典 第2版」がリリース

物質レベルから地球規模の問題まで化学のさまざまな分野を網羅したiPhone/iPad向け電子辞典アプリ「デジタル化学辞典 第2版」が森北出版から登場した。

» 2011年01月21日 15時00分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

化学が詰まった辞書アプリ

 森北出版は1月21日、2009年に同社から刊行された「化学辞典(第2版)」をベースとしたiPhone/iPad向け電子辞書アプリ「デジタル化学辞典 第2版」をApp Storeでリリースした。価格は6000円。

検索エンジンには富士通の「Inspirium 辞書検索ライブラリ」が用いられている

 森北出版は、専門書や理学、工学、語学などの大学・高専向け教科書を主に手掛ける出版社で、同書は、この分野における第一線の著者陣が改訂構想から10年をかけて編集したもの。基礎化学分野や応用化学分野に加え、原子力、放射線、エネルギー、生命科学といった広範な学際分野の最新情報など、さまざまな分野を幅広く網羅した実学重視の辞典となっている。

 収録されている用語数は約1万2000項目。この辞典アプリではさらに「人名索引(約340点)」「化学式索引(約2500点)」が収録されている。化合物名には代表的な体系名や工業的な用途を明記し、物質および誘導体のオンライン検索を可能とするため、CAS登録番号が付記されている。

 アプリの開発はすでに数多くのiPhone/iPad向け辞書アプリを世に送り出してきた計測技研。電子辞書の標準フォーマット「EPWING」の後継規格である「ONESWING」を採用しており、辞書を圧縮形式のまま照合・伸長・置換することで高速な全文検索が行えるほか、化学式での検索なども行える。

 紙の辞典は2万5200円と高額で、かつページ数、重量もかなりのものだ。控えめに言っても持ち歩くことは難しい。しかし、その内容を削ることなく、iPhoneやiPadでいつでもどこでも読めるようになった意義は大きい。App Storeの一般的な電子書籍系アプリの価格と比べると高額だが、辞書系の電子書籍アプリは例えば「大辞林」が2500円で販売されているように、価格が高めに設定されているケースが多い。紙と比べた場合の利便性や可搬性、可読性を考えれば、化学周辺領域を専攻している人やこれから学ぼうとしている人にお勧めしたいアプリだ。

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