E Ink Holdingsとセイコーエプソンは、従来の電子ペーパーディスプレイで主流だった160dpi程度の解像度を大きく上回る300dpiの解像度を持ち、その高速書き換えも可能な「高精細電子ペーパーデバイス」を共同開発した。
電子ペーパー大手の台湾E Ink Holdingsとセイコーエプソンは5月17日、従来の電子ペーパーディスプレイ(EPD)で主流だった160dpi程度の解像度を大きく上回る300dpiの解像度を持ち、その高速書き換えも可能な「高精細電子ペーパーデバイス」を共同開発した。電子ペーパーを採用するタブレットの登場にも期待が掛かる。
発表されたデバイスは、E Inkが開発した300dpiの高精細EPD(9.68型、2400×1650画素)と、セイコーエプソンが2010年10月に発表していた「表示制御プラットフォーム」を組み合わせたもの。後者は、EPDの表示駆動制御で核となるIC部品などのデバイスおよびファームウェアをシステムとして最適化したもの。同社がプリンタ事業で培った画像処理技術も組み込まれており、300dpi以上のEPDの高速書き換えも可能であるとしている。
EPDは、バックライトを使用せず、反射光を利用して表示を行うディスプレイ。液晶と比べ、広い視野角と紙と比べても見劣りしない表示品質が得られるほか、画面の保持には電力をほとんど消費しない。しかし一方で、160dpi程度だった解像度の高精細化や、高速なページ送りが求められていた。
この高精細電子ペーパーデバイスの試作品は、5月15日から20日にかけて米国ロサンゼルスで開催されるディスプレイ関連の展示会「SID」のE Inkブースで出展されるという。
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