今回ご紹介するマンガは、ちょっと世界観が特殊。中世フランスを舞台に、必ず囚人を白状させる拷問吏を主人公としています。でも少年漫画なので、グロくないです!
今回ご紹介するマンガ『ベルモンド Le VisiteuR』は、主人公の職業がちょっと特殊です。なんと、拷問を専門に行う「拷問吏」なのです。これだけでは、何のことか分からないでしょう。
物語の舞台は、17世紀のフランス。小説『三銃士』で知られる時代であり、時の権力者は宰相・リシュリウ。そのリシュリウから特別な許可を受け、極秘の地下室で、政治犯などから秘密を白状させる――これこそが、主人公であるシィエン・ベルモンドの仕事なのです。
このベルモンド、生まれてからこれまで、一度も地下から出たことがありません。「私が必要とする世界の広さは地下室ですべてだ」と平然と言い放つベルモンド。そのせいか、性格もねじ曲がっており、人の心を逆なでするようなことも平気で言います。さらにその趣味も変わっていて、「凶悪事件の凶器を集めること」というのですから、およそ少年マンガの主人公とは思えません(本作は週刊少年ジャンプで連載されたもの)。
ではベルモンドは、いかにして囚人を白状させるのか? 「真実を観る者」(ヴィジトウール)という異名を持つのは、なぜなのでしょうか。まずは下のコマをご覧ください。拷問というからには、どんな恐ろしいことをするのかと思いきや……なんと、囚人を(多少、暴れたからとはいえ)問答無用でぶった切ってしまいます。
斬られた囚人は即死か? と思いきや、さにあらず。胴体がずれた状態で、崩れ落ちそうになりながらも、まだつながっているのです。この状態で、話すこともできるという不思議ぶり。
実は、第一話で明かされるのですが、ベルモンドは「魔女の子孫であり、魔女の力をも受けついだ異能者であったと考えられる」とのこと。かつて七人の魔女が死の間際に力を注ぎ込んだ創世の七曜剣の1つ「ランディ」を使いこなし、自由自在にモノを切断することができるというのです。しかも、彼には囚人が意識を失う間際、真実を引き出すための、もう一つ特殊な能力があり――。
この続きは、ぜひ本編で確認してください!
最後に、ごくたまに良いことを言う、ベルモンドのセリフを一つ。
だが 覚悟しろ
怨みで 人を殺(あや)めた者の
心の闇に
光が射すことは
永遠にない
ベルモンドによる、どこかシニカルで、それでいて痛快な活躍が楽しめる『ベルモンド Le VisiteuR』は全3巻。現在、現在ハートコミックスなどで、基本無料にて読むことが可能です。
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