特集
DATA Discman――ソニー:電子書籍端末ショーケース
往年の名機から最新のタブレットまで――古今東西の電子書籍端末をショーケース風に紹介する「電子書籍端末ショーケース」。今回は、ソニーが1990年代に国内販売していた電子ブックプレーヤー「DATA Discman」を取り上げる。
製品概要
ソニーが1990年代に国内販売していた電子ブックプレーヤー。多くの機種が2つ折りできるクラムシェル型のボディを採用し、8センチCD-ROMで供給される電子ブックを読み込んで利用するスタイルで、検索をメインとする辞書や語学学習などの分野で人気を博した。
写真の「DD-S35」はDATA Discmanシリーズで最後に生産完了となったモデルで、フォーマットはEB、EBG、EBXAのほか、1998年に策定された拡張規格のS-EBXAにも対応する。電子ブックは「広辞苑第五版&リーダーズ英和第2版・新和英」と「マイペディア&漢字源」の2枚が添付する。
本モデル以降、電子辞書はよりコンパクトで電池寿命が長いICタイプ「DD-ICシリーズ」へとシフトし、そのICタイプも2006年までに生産を完了したため、本製品の流れを直接汲む電子ブックプレーヤー/電子辞書は同社のラインアップの中には存在しない(同社からは2004年にBBeBフォーマットに対応した電子書籍端末「LIBRIe(リブリエ)」が発売されているが、本シリーズと直接の関連はない)。ちなみに「電子ブック」はソニーの登録商標。
型番 | 発売年月 | 標準価格 | 派生モデル |
---|---|---|---|
DD-1 | 1990年7月 | 5万8000円 | |
DD-1EX | 1991年10月 | 5万8000円 | |
DD-10 | 1991年11月 | 6万5000円 | DD-10S |
DD-10BZ | 1992年6月 | 6万9000円 | |
DD-10EX | 1992年9月 | 6万円 | |
DD-8 | 1993年2月 | 4万3800円 | |
DD-30DBZ | 1993年10月 | 6万9000円 | |
DD-20 | 1994年2月 | 3万9800円 | |
DD-22 | 1994年2月 | 3万9800円 | |
DD-25 | 1994年9月 | 4万3800円 | DD-25P |
DD-55 | 1995年4月 | 3万5000円 | DD-55P |
DD-66 | 1995年7月 | 3万9800円 | |
DD-75 | 1996年3月 | 4万2000円 | DD-75SP |
DD-2001 | 1996年3月 | 8万円 | |
DD-85 | 1996年6月 | 3万3000円 | |
DD-95 | 1996年9月 | 4万2000円 | |
DD-300 | 1997年2月 | 4万3800円 | |
DD-MR10 | 1997年3月 | 3万9800円 | |
DD-CH10 | 1997年4月 | 4万2000円 | |
DD-202 | 1997年6月 | 2万9800円 | |
DD-216 | 1997年10月 | 3万6000円 | |
DD-250 | 1998年3月 | 3万3000円 | |
DD-350 | 1998年6月 | 4万3800円 | DD-350SP |
DD-RE10 | 1998年9月 | 4万3800円 | |
DD-150 | 1998年10月 | 3万6000円 | |
DD-S30 | 1999年3月 | 4万3800円 | |
DD-170 | 1999年7月 | オープン | |
DD-S1000 | 2000年2月 | 8万円 | |
DD-S35 | 2000年6月 | 4万3800円 | |
DD-S15 | 2000年10月 | オープン | |
DD-S25 | 2000年10月 | オープン |
「派生モデル」は、ベースモデルに別の電子ブックを追加したもの
このほか、電子ブックをPCやワープロで利用するための電子ブックドライブ「DD-DR1」も存在する(標準価格4万8000円)
スペックで見る「DD-S35」
メーカー | ソニー |
---|---|
国内発売時期 | 2000年6月 |
発売時価格 | 4万3800円 |
専用/汎用 | 専用 |
OS | 独自 |
OSバージョン | - |
サイズ | 132(幅)×110(奥行き)×31(高さ)ミリ |
重量 | 約420グラム(電池および電子ブック含む。本体は約340グラム) |
解像度 | 320×240ドット |
ディスプレイ | モノクロ液晶 |
カラー/白黒 | モノクロ16階調 |
画面サイズ | 5.2インチ |
通信方式 | なし |
Bluetooth | なし |
内蔵ストレージ | なし |
メモリカードスロット | なし |
バッテリ持続時間(メーカー公称値) | 10時間(電子ブック検索時) |
タッチ操作 | 非対応 |
対応フォーマット | EB、EBG、EBXA、S-EBXA |
コネクタ | なし |
電子書籍ストア | なし(8センチCD-ROMにて供給) |
その他 | 2003年に生産完了。なお、本製品のあと発表された「DD-S15」「DD-S25」は本製品より先に生産を完了している |
最終更新日:2012年2月25日
写真で見る「DD-S35」
初代の「DD-1」以降、ほとんどの機種がクラムシェル型のボディを採用する(写真=左)/座学を前提としたボディのため、持って利用する用途には向かない(写真=中央)/のちのICタイプの電子辞書に通ずる形状およびフットプリントだが、かなりの厚みがある(写真=右)
正面。画面サイズは5.2型とかなり大きい。同時期にはカラー液晶を搭載した「DD-S1000」も発売されているが、本機の液晶はモノクロ(写真=左)/左側面。イヤフォンジャックを備える(写真=中央)/右側面。音量調節ダイヤル、コントラスト調節ダイヤルを備える。蓋部にはバックライトスイッチが見える(写真=右)
上蓋を閉じた状態。データディスクマンロゴの左側には、電子ブックのフォーマットである「S-EBXA」のマークがある(写真=左)/底面。とくに端子類はない(写真=中央)/背面。電源コネクタを備える(写真=右)
キーボードはQWERTY配列。電子ブックプレーヤーと銘打っているものの、辞書用のファンクションキーを備えるなど、実質的にはメディア交換が可能な電子辞書という位置づけ。左下にはスピーカーを備える(写真=左)/操作パネル部を持ち上げて電子ブックを挿入することで読み込まれる。本製品添付の電子ブック以外にも市販の電子ブックタイトルが利用可能。またキャディにセットすることで音楽用の8センチCDも再生可能(写真=中央)/ACアダプタ以外に単3電池×2や、充電式ニッカド電池での駆動も可能(写真=右)
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