IDC Japan、国内ITサービス市場動向を発表

IDC Japanは、国内ITサービス市場動向を発表。市場は、2004年は2.8%成長で推移、2008年には5兆3,915億円に到達するとみている。

» 2004年09月06日 21時13分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは、国内ITサービス市場の市場動向について発表した。

 これによると、2003年に4兆4,471億円(対前年比1.6%増)だった市場規模は、2004年は2.8%成長で推移する見込みで、この先年平均成長率(CAGR)3.9%で拡大し、2008年には5兆3,915億円に到達するとみている。

 IT投資案件の小規模化や、顧客からの強い値引き要求に加え、案件稼働までの投資決定期間の長期化が顕著となり、不採算案件も増加したことから、国内ITサービス市場は、2002年から急速に鈍化。企業のIT投資に対する抑制姿勢は継続しているものの、2003年後半から大手製造業を中心に設備投資が好転、企業業績と経済指標が上向き傾向にあり、システム投資意欲の回復が期待されることから、ITサービス支出の促進要因が強まっていると分析している。

グラフ 国内ITサービス市場推移 2001年〜2008年

 ベンダー間の競争激化が続き、小規模・短期間納品型の案件が増加するなど、ITサービス市場を取り巻く企業環境が大きく変化しており、同社では市場に回復の兆しがみえるとはいえ、優先度が低く先延ばしにしてもさほど影響の出ない分野でのIT投資を控える傾向にあるとみている。

グラフ 国内のIT投資分野

 これからのITサービスベンダーは、従来型SIモデルから、価値ベースで対価を請求できるサービスモデルへの転換が求められ、顧客からは、経営/IT両面での課題解決につながる提案を求める声も高まっている。これをふまえ、既存業務プロセスを前提としながらも、業務全体を大局的に捉えてシステム化できる上流工程スキルへシフトしていくことなどを質的転換のための施策としてあげている。

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