日立は、ディスクアレイに仮想化技術を搭載した大型ディスクアレイ「SANRISE USP」を発表した。異機種の外部ストレージを仮想化して、最大32ペタバイトのストレージプールを作れる。
日立製作所 情報・通信グループは9月8日、ディスクアレイに仮想化技術を搭載した大型ディスクアレイサブシステム「SANRISE Universal Storage Platform」(SANRISE USP)を発表した。
「新パラダイムのストレージシステム」と、古川一夫グループ長&CEOは強調してやまない。その理由は、SANRISE USPがディスクアレイ装置上で仮想化を実現することが可能になったからだ。
SANRISE USP(下写真)は、異機種の外部ストレージを接続して、最大32ペタバイトもの容量を一つのストレージプールとして仮想化する。ストレージの仮想化は、ストレージ統合・管理の一元化を実現する上で欠かせない技術で、現在ソフトウェアベンダーやスイッチベンダーなどがそれぞれのアプローチを示している。
だが、古川グループ長は「ストレージの仮想化はストレージがやるべき。サーバやネットワークの負荷減らすことになる」と、日立が追求してきたアプローチの優位性を強調する。
この仮想化機能は、「Universal Volume Manager」として提供される。「EMC Symmetrix」「IBM ESS」といった他社製ストレージシステムを外部接続して、ボリュームを統合することも可能だが、基本的には同社のSANRISE製品を統合するという。他社製品はサポートなどの問題があり、データの移行のみを保証する。
ディスクアレイによる仮想化により、サーバを介さずに、データのコピーやバックアップが行えるメリットがあるほか、既存のストレージが継続使用でき、データ価値に応じて適切なストレージに再配置できる点などで一役買うことになる。
また、ディスクアレイをアプリケーションごとに仮想ストレージ装置として、専用のディスク・キャッシュ・接続ポートを割り当てられる「Virtual Partition Manager」機能も、2004年第4四半期に提供される。特定のアプリケーションからの負荷が集中したときの性能干渉を防げ、サービスレベルを保てる。
同時期には、ディスクドライブ上に作成したジャーナルファイルをIPネットワーク経由で、遠隔地の別のSANRISE UPSに転送する長距離データレプリケーションにも対応する。TrueCopy/ShadowImageと組み合わせることで、災害対策のニーズに応える。
これら機能を支えるハードウェアも大幅に強化されている。SANRISE9000Vと比べ、プロセッサ数・能力ともに倍増させたほか、データ転送パスを強化。最大68GB/sの内部データ転送能力を持つ。内部ストレージとしては、現在最大165Tバイトまでサポートする。
価格は、SANRISE USPが1億1638万5150円から、「Universal Volume Manager」が335万6850円から、2004年度第4四半期提供予定の「Virtual Partition Manager」は個別見積もり、Unibersal Replicatorは1831万950円から。出荷開始は9月末頃。
SANRISE UPSは、Hewlett-Packard、Sun MicrosystemsからもOEM販売される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.