「Foundryは究極のドライビングマシーン」、チェング副社長

Foundryは、新製品で10GE市場を一気にドライブさせようとしている。ケン・チェング副社長は、同社の製品を自動車に例えてBMWだという。

» 2004年11月12日 15時59分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 「シスコは、ナンバーワンのマーケットシェアを持つにも関わらず、実に平凡だ」――。ライバルに向けて皮肉を込めて言うのは、米Foundry Networksのレイヤ2/3スイッチング&ルーティングソリューションビジネスユニットのケン・チェング副社長。

 Foundryは、創設以来いち早く1997年にレイヤ3スイッチと標準規格のギガビットイーサネットスイッチを市場に送り出し、2001年には10GEスイッチを他社に先駆けて投入。ネットワーク業界における「常に有望な市場を開拓してきた」リーダーを自認する。現在は、10GEに最も注力するベンダーの1つ。

ケン・チェング氏 「財務的にも技術革新の面でも顧客の要求に答えられるネットワークベンダーとなると、市場にはFoundryしかいない」と話すチェング副社長

 10GE市場を見ると、スーパーコンピューティングやISPなど一部のハイエンドを除けば、まだ活性化しきれていないともいえる。しかし、今回Foundryが発表した新製品は、「一気に市場をドライブする製品になる」とチェング氏は自信を見せる。

 11月11日から販売を開始した新アグリゲーションスイッチ「EdgeIron 8X10G」で、10GEのポート単価を一挙に2500ドルにまで引き下げるからだ。同社が2001年に発表した初の10GEスイッチではポート単価は7万ドルだったというから、30分の1程度に下がることになる。これは業界の予測より1年以上も早いペースだという。

 チェング氏によれば、この価格はギガビットポートの3倍ほど。「3倍の価格で10倍のパフォーマンスが活用できるわけだ。10/100からギガビットへの移行では、価格が半分になったときがインフレクションポイントだった。10GEもその域にきた」

EIF8X10G、48GS、24GS 上から今回発売したEdgeIron 8X10G、48GS、24GS

 同社は、この製品を中小企業のバックボーン向けに送り出し、10GE市場の拡大を狙う。「10Gという広帯域を誰が使うんだ? そんな議論もある。しかし、アプリケーションのニーズがそうさせるというよりも、エッジがギガに成長している。デルでPCを購入すれば、ギガビットのNICが付いてくる時代だ。それを集約するには10GEが必要になる」

 最大のライバル、シスコシステムズを強く意識する同社だが、現在10GE市場では、Foundryが60%のシェアを持ちトップに位置するという。「シスコの従業員が3万5000人という巨大な企業であるのに対し、Foundryは6000人。しかし、シスコの事業は多岐に分かれている。われわれは、6000人がやるべきことを正しくやっている。技術革新のリーダーにいることで、常に利益を上げてきた。今のところ成功している」

 最近のネットワークベンダーは、パフォーマンス以上にセキュリティなど機能の差別化に力を入れている。これについても同社は、「管理者にとってセキュリティが最優先課題だということは分かっている」として、シスコのNACに対する機能する「Network Access Protection」機能の仕様の最終固めの段階にあるなど、取り組みを行っている最中だ。「シスコの機能はプロプライエタリだが、われわれはオープンスタンダードにしたいと考えている」。

 「BWMを考えてみてほしい。究極のドライビングマシーンとうたっているが、乗ってみれば、すべての機能が備わっていることが分かる。それがFoundryだ。シスコは? GMだろう。ナンバーワンのマーケットシェアを持つにも関わらず、実に平凡だ」

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