英国はXML先進国――59%の企業が利用

Vanson Bourneが実施した調査によると、英国企業の59%がXMLを利用し、うち71%はXMLベースのWebサービスを利用しているという。しかし今後の道のりはまだ遠いとの意見も。

» 2005年02月08日 19時56分 公開
[IDG Japan]
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 XML技術が発表されて7年になる今日、英国のユーザーはこの技術を使いこなし始めたようだ。現在、59%の英国企業がXMLを利用しており、そのうち71%がXMLベースのWebサービスを利用している。最近の調査でこのような状況が明らかになった。

 XMLの登場7周年目に公表された調査結果によると、大多数の企業がXMLのコンセプトを理解しているが、Webサービスというコンセプトを理解していない企業は多い。調査に回答した企業のうち、Webサービスを採用しているのは42%で、サービス指向アーキテクチャ(SOA)というコンセプトを聞いたことがあると答えたのは37%に過ぎなかった。SOAとは、ゆるやかに結合されたビジネス指向のサービスを作成する手法である。

 この調査は、Microsoftの委託を受けてVanson Bourneが実施したもの。ITのビジネス上のメリットに対する理解という点については、今日でも多数のIT部門が非技術系の経営幹部の無知、誤解、無関心に悩まされているという実状も、この調査で明らかになった。また、ITの知識という点でも大きなギャップが存在するようだ。回答者の91%が、経営陣の理解の欠如を指摘している。

 Microsoft U.K.の製品/ソリューション担当マーケティングマネジャー、ガビン・キング氏によると、まだ道のりは遠いという。

 「浸透してはいても、実際に手に取って見ることができない技術をビジネスユーザーに説明するのは大変だ。特に非技術系の人間にとっては、“これは何なのか?”と具体的に質問するのは容易ではない。その単純さゆえに生じるこの疑問はXMLの最大の特徴の1つであるが、XMLについて説明するのは難しい。この部分で困難が生じる可能性があるのは明らかだ」とキング氏は話す。

 Business Application Software Developer Association(BASDA)のデニス・キーリングCEOによると、この問題の原因の1つとしてWebサービスの定義が変化したことがあるという。同氏はWebサービスの普及状況には満足しながらも、多少の混乱があったとしている。

 「問題は、どういう意味でWebサービスという言葉を使っているかだ。今日のWebサービスは、2000年の時点で予想されていたWebサービスとは異なる」と同氏は指摘する。

 キーリング氏によると、XMLおよびWebサービスの普及は喜ばしい状況だという。「見回せば、あらゆるところにXMLが進出している。ほとんど話題になることはないが、テキストメッセージングもXMLがベースになっている」と同氏は話す。

 また、英国の「eProcurement」Webサイト(コードネームはZanzibar)がこの春に立ち上がれば、状況はさらに改善するだろう、と同氏は付け加える。

 Microsoftのキング氏も、将来は明るいと考えている。キング氏によると、同社は当初からバックエンドに注力してきたが、現在は非技術系コミュニティーの間で関心を喚起する立場にあるという。

 「Microsoftでは、まずバックエンドのニーズにこたえることに専念してきた。これは出発点として妥当だった。BizTalk Serverなどの製品を提供することにより、XMLを利用して連携などの問題を解決しようとしたのだ」とキング氏は話す。

 同氏によると、次の課題は、エンドユーザーが技術で苦労することなくXMLベースのリッチなドキュメントを作成できるようにすることだという。

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