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» 2005年05月10日 09時30分 公開

グループウェア戦国絵巻:ついに決着!今選ぶべきグループウェアは?

これまで3回に渡ってお届けしてきた「グループウェア戦国絵巻」。仮にも「戦国絵巻」と銘打っている以上、雌雄を決する必要がある。中堅・中小企業に最適なグループウェアはどれか?

[ITmedia]

 これまで3回に渡ってお届けしてきた「グループウェア戦国絵巻」。サイボウズの「サイボウズ Office 6」(以下Office 6)と、マイクロソフトの「Microsoft GroupBoard ワークスペース」(以下GroupBoard)の2製品を比較する形で、グループウェアの機能比較、可用性、導入コストなどについて触れてきた。

 しかし、仮にも「戦国絵巻」と銘打っている以上、「検討してみた結果、どちらもいい製品でした」ではいかにも締まりが悪い。そこで、最終回となる今回は、中堅・中小企業における導入に適したのはどちらなのかを結論づけてしまおう。賛否両論はあると思うが、ご覧いただきたい。

サイボウズ、MySQL採用の余波は?

 ところで、前回の最後で筆者は、「今後の動向を大きく左右すると思われる話もサイボウズ側から聞こえてきている」と書いた。その記事が公開されて間もなく、その正式なリリースがサイボウズから行われた(関連記事参照)

 要するに、サイボウズは軽量で高速な動作を売りとしていた独自のデータベースエンジン「CyDE」を捨て、この部分をオープンソースのデータベース「MySQL」に置き換えるという決断をしたのである。サイボウズが何を考え、この選択に至ったのかは現時点では定かではないが、容易に想像できるのは、プロプライエタリな製品を開発していくことの限界と、CyDE自体のスケーラビリティの限界であろう。

 今回の決定は、サイボウズにとって大きな賭けとなる。なぜなら、CyDEを使っていた従来製品と、MySQLを採用した今後の製品は、アーキテクチャ自体が大きく異なるはずであり、それは、製品の大部分を1から開発し直していることを意味することになるからである。このことは、製品のクオリティについて若干の不安が生じるであろうことを予見させる。下手をすればこれまで築き上げた「サイボウズ」ブランドが失墜しかねない。

 発表時の記事を見る限り、MySQLを最初に搭載するサイボウズ製品は、間もなく登場するであろう「サイボウズ ガルーン」であり、Office 6に搭載されるのは早くても年末、といったところだろう。MySQLをOffice 6に搭載する前に、従来のガルーンユーザーのための移行ツールを用意することなどが求められるはずで、開発面での負担は相当なものになろう。無論、サポート面の拡充も急ぐ必要がある。

 悲観的なことを多く書いたが、それでもMySQLを採用したくらいである。勝算は十分にあってのことだろう。特筆すべきは、プロプライエタリな製品を提供していたサイボウズがオープンソース・ソフトウェアを採用したというところだろう。これまでは、マイクロソフトもサイボウズも、ともにプロプライエタリな製品であったため、豊富な資金力を背景とする開発リソースで勝るマイクロソフトが最後には有利だと見ることもできたが、オープンソース・コミュニティーのリソースをうまく生かすことができれば、その部分のハンデはかなりの部分が解消され得る(困難が予想されるが)。

 また、GroupBoardがサポートしていないLinuxとOffice 6の組み合わせが、これまで以上に相性の良いものになることが予想される。サイボウズはMySQLの採用で、競合製品を大きく引き離すポテンシャルを秘めることになったと言ってもいいだろう。

Windows Small Business Server 2003の新規導入ならGroupBoardも

 一方のGroupBoardだが、こちらは比較的導入するユーザー像が見えやすい。Windowsを使ったオペレーションに慣れており、Windows Server 2003やWindows Small Business Server 2003を新規に導入する予定があるのであれば積極的に検討してもよいだろう。前回触れたように、Windows Server 2003や、Windows Small Business Server 2003でグループウェアを動かす場合は、CALの問題から逃れることができない。その場合、GroupBoardのほうがコストを押さえられることが多い。

 加えて、Office 2003 Editionを使うのであれば、相乗効果が十分に期待できる。ただし、Office連携機能は、使いこなせば仕事効率を上げることができるが、正直言って現在GroupBoardを導入しているユーザーで、十分に使いこなしているユーザーは少数派であることを付け加えておく。このあたりは、意識改革のトレーニングも考える必要があるだろう。

 GroupBoardは前述のとおり、プロプライエタリなマイクロソフトの製品群で固められたシステムであるとはいえ、それが逆に一枚岩の強さを発揮することもある。サポート面での無駄な労力を省きたいのであれば、GroupBoardの選択は賢明である。そうでなければASP型のサービスを検討してほしい。

 プロプライエタリな製品ではあるが、ユーザーの声が取り入れられないわけではない。こちらで提供されているようなツールがうまく型にはまれば、さらに便利なグループウェアとなるだろう。こうしたツールは定期的にユーザーの声を取り入れて開発しているようなので、あなたがGroupBoardのユーザーになったなら、積極的にこうしたプラグイン的なツールの開発をマイクロソフトに要求していけば、少しだけ幸せになれるだろう。

 結局のところ、グループウェアもツールの1つに過ぎず、その効果が本来グループウェアを越えた領域にまでおよぶなんてことはありえない。その意味では、Office 6は純然たるグループウェアであるといえる。しかし、GroupBoardはグループウェアの定義自体を拡張させ、グループウェアを新たな次元に引き上げようとしている。

 ターゲットとなる中堅・中小企業で、どちらかといえばITに苦手意識を持っている人間からすると、こうしたマイクロソフトの動きについて行くのは大変に感じるかもしれないが、今後のグループウェアがこうした方向性に向かうことは十分に予想される。数年後、「近ごろのグループウェアの多機能ぶりにはついて行けないよ」と嘆く事態に陥る前に、GroupBoardに触れてみるのもよいだろう。


 結論としては、サイボウズのMySQL採用という今後の変動要素はあるが、現時点で使い勝手のよいグループウェアを求めるのであればOffice 6を、やや中長期的なことも考慮して社内システムや自社のビジネスを考えていきたいのであればGroupBoardを勧めたい。あとはコストをにらみつつ、最適な選択を行って欲しい。

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